称賛やほめ言葉よりも感謝を/「わかりあえない」を越えるを訪ねる3
『すごい』よりも『ありがとう』
「すごい!よくできたね」
「本当に気が利くね」
「優しいね」
こんなふうに誰かをほめたこと称賛したことは誰しもあるのではないでしょうか?
今回読んだ本には、称賛やほめ言葉よりも感謝をしようとあります。
それはなぜなのでしょうか。
本日の読書
「わかりあえない」を越える
マーシャル・B・ローゼンバーグ【著】
今井 麻希子(いまい まきこ)【訳】
鈴木 重子(すずき しげこ) 【訳】
安納 献 (あんの けん) 【訳】
褒め称えるということ
本書によると、称賛する褒めるというのは、非難や叱責することと同じ型だと言います。
非難することや叱責することで、相手の行いを止めるようにコントロールしようとするように、褒める、称賛することで相手にその行いを促すようにコントロールしようとする。
非難も称賛も、相手をコントロールしようという意味では、同じと言えるようです。
こんな言葉を聞いたことはないでしょうか。
- ほめて伸ばす
- 甘やかすとろくなことにならない
どちらも、相手の行動に制限をかけたり、促すことで、思うようにコントロールしようとしているとも考えられるのではないでしょうか。
「いつも優しいね」という褒め言葉は、いつも優しくあることを促す効果があるのではないでしょうか。人には感情の浮き沈みや体調の変化があります。気持ちの落ち込んでいるとき、体調不良のときなど優しくできない場合があります。優しくする余裕がなかったとき、ほめ言葉から外れたとき、自分を責めて落ち込むことになるかもしれません。
ほめ言葉の範囲から外れた時に、相手が相手自身を責める結果になる可能性があります。
本書では、称賛よりも感謝をしようと書かれています。
感謝を伝えよう。
本書によると、感謝とは相手の行動によって、どれほど自分の人生が豊かになったかを伝えることだとあります。
- 相手のどんな行動が、自分の人生を豊かにしてくれたか。
- 相手の行動によって、自分のなかにどんな感情が生まれたか
- 相手の行動によって、自分のどんな求めていたものを満たしてくれたのか
以上の3点を伝えることが『感謝』になるようです。
それら3点を見てみると、確かに相手への批評や決めつけはありません。
- 自分自身になにが起きたか
- そのときに私はどう感じたか
- 自分自身の何を満たしたか
すべて自分自身におきたことです。
感謝をすることは、相手の行動によっておきた自分の幸せを伝えているにすぎません。そこに相手をコントロールしようという意図は存在しません。
感謝には、相手の行動を制限しようという意図はなく、相手の行動で起きた幸せを分かち合える効果があるのだと本書を読んでいてわかりました。
称賛やほめ言葉は
相手の行動を縛る呪いの言葉になることがある。
代わりに感謝の言葉を送ろう。
感謝は、相手のしてくれたことで自分におきた
幸せを分かち合う祝福の言葉。
幸せを分かち合うことこそ、互いに祝福をもたらす。
本を巡る旅におつきあいいただきありがとうございました。