本を訪ねる

読書は自分を知る旅

はいかいいえだけではないこの世の中/放っておく力を訪ねるその5

この世はグラデーション

 今の仕事に満足していますか?

 今の生活に満足していますか?

 そうたずねられたらなんと答えるだろう?

 全てに満足している。なにもかも不満。

 それとも…

本日の読書

放っておく力

枡野 俊明(ますの しゅんみょう)【著】

答えは2つじゃない

 今回の読書で、改めて『はい』か『いいえ』だけが全てではないということに気づかされた。

 

 例えば、仕事に満足しているか?という問いに全て満足、全てが不満という人もいるかもしれないが、多くの人はそのどちらでもないのではないだろうか?

 

 「やりがいはあるんだけど、収入的には厳しいね」

 

 「やりがいはないんだけど、職場の人間関係はすごくいいんだよね」

 

 なにかは満足しているけど、なにかには満足していない。そういった境遇に思い当たる人は案外多いのではないだろうか?転職に悩むのはそういった『はい』か『いいえ』だけでは片づけられない事情があるからだと思う。

 

 なにかはいいけど、なにかはだめ

 

 いいとは思うけどそこまで満足はしていない。

 いやだなと思うけどそこまで不満なわけではない。

 

 この世は、良し悪しが混合している。

 今回の読書で感じたことだ

 

 そして、良しに目を背け悪しきと感じ

     悪しきに目を背け良しと感じる。

 

 何を選ぶか?

 非常に難しい選択。

柔軟な心と謙虚さ

 何を選択しても良し悪しは存在する。

 

 そんなこの世の中を生き抜くコツとして本書では、柔軟心(にゅうなんしん)と謙虚さを持つことをお勧めしている。

 

 完全ではなく、最善を尽くす。

 勝敗にこだわるのではなく、互いに譲れるポイントを見出す。

 やるかやらないかではなく、一度休んでみる。

 柔軟な心で今を見つめる。

 

 『やりがいはあるけど、収入的には厳しいね』

 誰かの役に立てていることにお金には代えられない価値を感じている。

 ダブルワークせざるを得ないが、作った作品に感動してくれる人がいる。

 

 『やりがいはないけど、職場の人間関係はすごくいいんだよね』

 しんどい時もあったけど、みんなの支えで困難を乗り越えられた。

 周りのサポートあって気が付けば、高い技術力を身に着けていた。技術力を身に着けたおかげでやりがいのなかった仕事も楽しくなりつつある。

 

 今あるものにはどんな良し悪しが隠れているのだろう。

 何を選び取っているのだろう。

 悪しきだけに目を向けてないだろうか。

 

 最後に、今回の読書で『謙虚さ』に対する考え方がとてもすてきだなと感じた。

 『謙虚さとは、できる範囲』という考え方だ。

 

 無理をしない。

 やれる範囲で最善を尽くす。

 それをコツコツ行うことが無理だと思ったことを可能にするには必要なのだと思う。

 

 人は過去にも未来にも負の感情を持つことがある。

 ただ、先にも後にもマイナスだけではないはず。

 

 良しに目を向け

 できることを謙虚にひとつひとつこなしていく。

 それが悪しきを小さくしていく。

 

 今ここには何がある?

 謙虚に、謙虚に

 今を生きよう。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

ぐるぐるストップ!/放っておく力を訪ねる4

「いま、ここ」に旗を立てる!

 未来に不安を感じて、その不安がずっと頭の中を駆け巡る。

 

 あまりいい想像ができない。悪くなるイメージが頭から離れない。

 

 嫌なうわさを聞いてしまって、ずっとモヤモヤしている。

 

 未来、想像、うわさ話。

 

 今、自分が居るところはどこでしょうか?

本日の読書

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放っておく力

枡野 俊明(ますの しゅんみょう)【著】

それは「今、ここ」で起きていることか?

 今回は、僕がいままで読んできた本によくある「マインド・フルネス」的な内容が印象的でした。自分が興味を惹かれるからでしょうね。

 

 生活していくうえで、将来の不安や、これをこうすると後で大変なことになるんじゃないか?とか、「あの人がこう言うことを言っていたよ」といった不確定なうわさ話ってありふれているように思います。

 

 でも、それって「今、ここ」で起きているわけではないんですよね。

 

 そう、「今、ここ」には何も起きていないんです。

 

 「このまま行くと将来大変なことになる」

 

 本当かな?

 

 これをこうすると後で大変なことになる。

 

 本当かな?

 

 「あの人がこんなことを言っていたよ」

 

 本当かな?

 

 「今、ここ」で、いくら考えてもその真実にはたどり着けない。だって「今、ここ」で起きていないのだから…。

 

 なぜそんな不安を感じるのだろう。

 

 不安を感じたくなくて、未来の予想や想像、うわさ話に向き合っているというのに、「今、ここ」に不安を作り上げてしまっているじゃないか。

百聞は意見に如かず

 「今、ここ」にないはずの不安を作り上げて、不安を感じてる。これはよくあることだと思うんです。

 

 同じ不安について、ぐるぐるぐるぐると考えてしまう。

 

 著者はそんなときは、負の思考を強制的に終了するようにしようと本書で語っています。ずっと同じ考えに囚われているのは、思考が止まっているのと同じだからだそうです。確かにずっと同じ考えに囚われているのは、思考が止まっていることと変わりないのかもしれません。

 

 そんなときは、立ち止まって「今できること」をやってみる。

 

 行動することで、次の方向を指し示す『みちしるべ』が見つかる。

 

 「行動するのが怖い」よくわかります。よくあります。

 

 でも、考えてみると「今、ここ」にその恐怖はないはずです。

 

 今回は大切なことを再確認できた読書でした。

 

 ありもしない不安に惑わされて道に迷ったときは

 

 そこに旗を立てよう。

 

 「自分は、今ここにいるぞ!」って

 

 自分に知らせよう。

 

 その場所に不安はあるかい?

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

誰がための心か/放っておく力を訪ねる3

あなたはあなたでいていい

 「みんなそうさ」

 

 「今の流行り知らないの?」

 

 「あなたってそういうところあるよね」

 

 みんながそうだとして、今の流行りがそうだとして、あの人がそういったとして

 

 僕たちはどうすればいいのだろうか?

本日の読書

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放っておく力 枡野 俊明(ますの しゅんみょう)【著】

 

みんながそうしているとしてどうするか

 今日、どんなことにどのくらい感情を揺らしただろう。

 

 どのくらい感情を揺さぶられただろう。

 

 今回の読書の内容は、物事に対して反応することを手放そうといったものでした。

 

 本書にあるように、「みんながそう言っていた」と言われれば、世界が出した答えのように思えてならないですが、実際のところ『みんな』の規模というのはあいまいです。

 

 人それぞれに、様々な立場があります。全員が同じ答えになるというのはなかなかにないものです。

 

 「みんながそうしているから、自分もそうしなくちゃいけない」というのは、幻想と言えるのかもしれません。その幻想を手放すのは勇気の要ることかもしれません。それでもその幻想に惑わされる必要があるのか考える価値はあると思います。

 

 「流行り」についても、みんながそうしているからという理由でそうする必要があるでしょうか?

 

 「流行り」といっても必ずそれが「自分に合っているもの」とは限らないと思います。試す価値というのはあるかもしれませんが、自分に合わないと思うものを無理して続ける必要はないはずです。

 

 「流行り」がどうして生まれたのか?を辿っていくと、多数の人に受け入れられて自然に流行った以外にも、「世の中に流行らせたいと考えている何か」が存在していて意図的に流行らせた可能性もあります。

 

 「今年は○○がトレンド」

 

 「流行に乗り遅れないために○○をしよう」

 

 そして、流行りは一時的な物。流行りは栄て廃れます。無理に合わせても次の流行りに乗らなければならないとしたら、その流行りにどれだけ自分の時間や価値観を費やせるでしょう。

 

 みんなや大多数以外にも、誰かに合わせて自分の心を消耗させてしまうなんてこともあります。

 

 「あなたってこういうところあるよね」

 

 それは、好きな人合わない人関わらず、かけられる言葉でもあります。

 

 しかし、そう言われたからと言ってその通りに振る舞う必要があるでしょうか?

 

 その言葉に反応して、イラついたり、嫌な気持ちを持つ必要があるでしょうか?

 

 本書を読んでいて、無理にその決めつけに従ったふるまいをしなくてもいいと感じました。

よく聞き、考え選択する

 ただ1つ気を付けることとして、「なんでも自分勝手にしても良いというわけではない」ということです。

 

 本書では、自分の視点からだけではなく、別の視点からも見てみることや自分の内面にある嫉妬からの言動などにも目を向けるようにとあります。

 

 かならずしも、自分が正しいということはないというのは確かにそうだなと納得しました。嫉妬する器の小ささも誰しもが持っているものだと思います。

 

 「みんな」や「あの人」や「流行り」といったものに「合わせる」のではなく、一度受け入れる。試してみる。そして自分に合っているかを感じてみる。そして最後は自分で選択する。それが大切なことなのかもしれません。

 

 あなたの心は誰のもの?

 

 みんなから「あれはいい」

 

 社会から「いまはこうだ」

 

 あの人から「あなたはいつもこうだ」

 

 と言われても

 

 他でもない

 

 あなたの心なのだ。

 

 素直に感じるままに

 

 あなたでいよう。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただきありがとうございました。

捨てると手放すの違い/放っておく力を訪ねる2

断つか活かすか

 これまでお気に入りで使っていたけど、今の自分には不要なものって対処に困ることありますよね。

 

 「もう使わないし」って、思い切って捨てるか、それとも……

本日の読書

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放っておく力

枡野 俊明【著】

良かったことは、良くしてくれるところへ送り出す

 いい思い出が詰まっているものや、誰かからの贈り物ほど、不要になった時に捨てづらいものですね。

 

 今回の読書では、「捨てる」のではなくで、「手放す」という考え方が印象的でした。

 

 捨てるというと、どんなイメージかって考えたときに、「無にすること」だと感じてしまいます。

 

 これまでの思い出や誰かの好意を、「無にすること」は誰だってやりたくないもの。「無にすること」は「否定すること」にもつながるような気がします。

 

 「捨てきれない」というのは、これまでを否定することに感じてしまうのが原因なのかなと感じます。

捨てずに手放す

 そこで著者は「捨てる」のではなく、「手放す」ことを本書で勧めています。

 

 手放すというのは、自分の手元から、他に必要としている人へと渡すこと。

 

 捨てることが、これまでの思い出や、誰かの気持ちを断つのに対して、手放すことは、これまでの思い出や誰かの気持ちを活かすことになるのだと考えることができるのではないでしょうか。

 

 手放し必要としている人の手に渡ったとき、相手もそれを使用することで、自分と同じように良い思い出を作り上げることができるかもしれません。誰かからの贈り物だったとすれば、幸せを次の人へと受け継ぐ、幸せのリレーになるのではないでしょうか。

 

 誰かに使ってもらえる可能性があるものは、捨てるよりも手放す。

 

 手放すことで、捨てる罪悪感を持たずに済むし、誰かの幸せに貢献することができる。

 

 「捨てるもの」と同様に、「ずっと閉まっているもの」も手放すことができれば手放した方が良いと著者は言います。

 

 「ずっと閉まっている」ということは、「モノの命」が生かされていないのと同じという考えから「手放す」ことを勧めているようです。確かにその通りだと感じました。

 

 過去に大切だったものは、捨てきれないものです。しかし、そのモノへの執着を手放すことで新しい幸せへとつながるような気がします。僕自身、人の抱えるものには限度があって、ずっと執着して抱え続けると新しいものを持つことは難しいのではないかと考えます。

 

 誰かの幸せを願い、自分に幸せをくれたものを手放し送り出す。それが、これまで大切だったモノ、これから大切になっていくモノとうまく付き合うコツなのかなと思います。

 

 いままでありがとう。

 

 さようなら、あなたに多くの幸せが訪れますように。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

何ごともほどほどに/放っておく力を訪ねる1

無理せず手の届く範囲でいい

 人間関係となると、自分の手の届く範囲外にまで無理に手を伸ばしがちのような気がします。

 

本日の読書

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放っておく力

枡野 俊明(ますの しゅんみょう)【著】

 

無理に関わらない

 今回の読書は、人間関係で放っておいた方が良いことについてでした。

 

  • 頼まれたことで、出来ないことを無理にこなそうとする。
  • 過度にアドバイスをしてしまう。
  • 顔色をうかがいすぎてしまう。
  • 無理に理解しようとする。
  • 相手の性格や行動を無理に変えようとする。

 

 人と人だからこそ、無理をしてしまうことが多いように感じます。

 

 しかし、無理をしたところで変わらないこともあります。無理をすればするほど、ただ苦しいだけ。

 

 そこで、放っておくことが重要なようです。

無理で消耗しないように放っておく

 自分の限界を通り越してしまわないために何ができるかというと、放っておくことだと本書を読んで感じました。

 

 人間関係で、過度に無理をする、深入りをするときってどんなときかと考えたとき、おそらく「相手を思うように動かしたい」や「自分をよりよく見せたい」といった気持ちからくるのではないかと思いました。

 

 「相手を思うように動かしたい」は、誰かに求めることは自分にも求められることから「自分も相手の思うように動かなければならない」ということではないでしょうか。そうなると互いに意見が食い違う場合や性格の不一致が起きた場合に、どちらも「相手を思うように動かしたい」という考えから、どこまで行ってもわかりあえないことにつながってしまいます。ずっと食い違いの状態でいると、どちらも苦しい状況となるはずです。

 

 「自分をより良く見せたい」も、必然的に能力以上に無理をするので、自ら辛い状況を招いてしまいます。「自分をより良く見せたい」は、そもそも自分というものに否定的な感情をもっていると考えられます。自分を否定している時点で苦しさを持たざるをえません。

 

 「相手を思うように動かしたい」や「自分をより良く見せたい」といった考えを手放すことで、人間関係で起きる苦しさや辛さも手放せるのではないかと本書を読んでいて

感じました。

 

 手放して放っておくことは、結構勇気のいる行動だと思いますが、思っているほど悪い方向へは進まないのではないかと思います。

 

 その手に持っていることで安心できるように思うけど

 

 力いっぱい握りしめて、無理に抱え込んでいては

 

 体力的にも精神的にも苦しいし

 

 新しいものもつかめない

 

 抱えきれないものは放っておく

 

 それが上手くいく秘訣

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 以下は本書の著者である枡野俊明さんの別著の読書記録です。

 

raikuhon.hatenablog.com

 

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