本を訪ねる

読書は自分を知る旅

「目標」よりも「おまけ」を充実させよう/小さな習慣を訪ねる7

「なければならない」よりも「やりたい」を増やそう

 目標を達成したとき、より大きな目標を持ちたくなるものではないでしょうか。

 

 しかし、本書では目標を大きくするよりも、「おまけ」に余ったエネルギーや野心は、使おうとあります。

 

 「やりたいこと」に取り組んでいたとしても、目標を設けることで、「やらなければいけないこと」に変わってしまう場合があります。

 

 例えば、やりたいことを「ブログを書きたい」とします。そこで、目標を「毎日1記事書く」としましょう。

 

 そうすると、「やりたいこと」のなかに「やらなければならないこと」ができてしまいます。

 

 目標というのは、「やらなければいけないこと」とも言えるのです。

 

 当初の目標をこなせるようになったとき、より大きな目標を立てることはよくあることです。

 

 しかし、より大きな目標を立てるということは、「やりたいこと」のなかにある「やらなければならないこと」が占める割合を増やすということ。

 

 「やらなければいけないこと」には義務感のようなものを感じることがあります。「やらなければいけない」と思うことで、目標達成できなかった場合、失敗したと感じる可能性も増えます。

 

 最初は楽しく取り組んでいたことが、しばらくすると、やるっているだけで苦しくなってくるということはないでしょうか?

 

 それは、目標を大きくしすぎて「やりたいこと」を「やらなければいけない」ことが飲み込んでしまったことが原因かもしれません。

 

 「やらなければいけないこと」にエネルギーを使いすぎてしんどくなる。失敗することが多くなる、できないと感じることが増えてくる。しっかりやらなければと焦ってしまう。

 

 目標を大きくしてしまったことが、皮肉にも挫折につながる可能性を大きくする。

 

 余ったエネルギーは「おまけ」に使う。

 

 「おまけ」とは、目標(やらなければいけないこと)が終えたときに、追加で取り組むことです。その時々で、できる範囲、やりたい範囲で追加で取り組みます。

 

 おまけは、「やりたいこと」になります。

 

 目標を大きくすることと違って、おまけを増やすことは「やりたいこと」が「やらなければいけないこと」に変わるのを防ぎます。

 

 「今日は、目標分はできたけどもうすこしやってみよう」

 

 「疲れているけど目標分はできた。今日は、ゆっくり休もう」

 

 おまけはその時々の調子に合わせて、取り組み方を変えられるので、不調のときでも「できなかった」と感じることがなくなります。

 

 さらに、おまけは目標達成あとに行われる。つまり「成功」した後に取り組むことになるので、「失敗」することがなくなります。

 

 目標はあくまで成功する範囲で小さく設定する。日々の調子に合わせておまけをつける。それが、継続することの秘訣となるようです。

 

 その時々、日々でやれることは変化する。

 

 やらなければいけないことは小さい方がいい。

 

 なぜ習慣にしたかったのだろう?

 

 それはきっと、やりたいことだったからに違いない。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 今回も前回に引き続き、「習慣化」の本を読みました。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】