本を訪ねる

読書は自分を知る旅

習慣とは主食のようなもの/小さな習慣を訪ねる3

モチベーションは、メインディッシュやデザート

 今回の読書で印象的だったのは、『熱意減退の法則』と『限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則』です。

 

 『熱意減退の法則』は、著者のスティーヴンさんが『限界効用逓減の法則』を基に考えた法則です。

 

 『限界効用逓減の法則』とは、3枚目のピザを食べたときよりも、4枚目のピザを食べたときの楽しみは薄れて、5枚目だと4枚目よりもさらに楽しみが薄れる。

 

 回数を重ねることで、どんどん楽しみが薄れていく。

 

 『熱意減退の法則』も同様に、始めた頃よりも、回数を重ねることで熱意が薄れていくことを指すようです。

 

 『熱意』とは、この場合『モチベーション』のことです。

 

 新しく始めたときは、発見やわくわく感が簡単に得られますが、どんなことも、やり続けると慣れてきて、同じ結果になるように思えてきます。

 

 「今日も昨日と結果はあまり変わらない」

 

 発見やわくわく感が薄れていくにつれて、モチベーションは持ちにくくなると考えられます。

 

 そのことから習慣として取り組みたいことは、メインディッシュやデザートのようにとらえるのではなく、主食のようにとらえることが良いように感じました。

 

 ピザと比較しているのは、言い得て妙だなと感じました。

 

 例えば1か月間、3食とも主食(ごはんやパン)と、好きなおかず1種類(生姜焼きが好きなら、1ヶ月間、生姜焼きだけ)を食べるとしたらどうでしょうか?おそらく、最初は喜んで食べることができても、数日後には違うおかずを食べたくなってくるはずです。

 

 メインディッシュやデザートは、その日の気分や、前回なにを食べたかなどで変わってくることが多いと思います。

 

 同じようにモチベーションもその日の気分や、直前の出来事などに左右されることが多いはずです

 

 では1か月間、主食(ごはんやパン)を変えず(ごはんならごはん)、おかずはなんでもOKという状況ならどうでしょうか?たまにパンを食べたくなることはあっても、耐えられないと感じる方は少ないのではないでしょうか。

 

 また、普段食べている主食をしばらく食べないとどう感じるでしょうか。

 

 ごはんが主食の人が、朝にシリアル、昼にパン中心の食事、夜にラーメンとギョーザ。ごはんを1日食べなかった場合。翌日には、ごはんが食べたくてしょうがないという気持ちになるのではないでしょうか。

 

 主食とは、食事の際に意外と、意識していないときもあると思います。しかし、なくなると困るものではないでしょうか。しばらくないと求めてしまう。

 

 主食こそが、習慣に近いものだと感じました。

 

 習慣化するには、意識しないでも行えるような方法でやってみる。意識しないでも、できるようになると、逆にやらなければ気が済まなくなる。

 

 熱意を込めた日々も、やがて冷める。

 

 熱意は冷めても、そこに穏やかさが残れば、日々は続く。

 

 そして、熱意をもたらすものは、穏やかに過ごしたいという気持ちである。

 

 本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。

 

 今回も前回に引き続き、『習慣化』をテーマにした本です。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】