見えているものは、見たいもの/なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのかを訪ねる3
理由を探す理由で、結論は変わる。
今回、10パターンのバイアスが解説されていたのですが、どれも衝撃的な発見で面白く感じました。
気になっているもの以外が見えなくなる。
第一印象で、その人の性格を決めつけてしまう。
過去の出来事と似ていることが起きたとき、過去のことと同じだと感じてしまう。
肩書きや身分、『それらしい身なり』によって相手の能力を判断してしまう。(ブランドものという理由で、品質の良さを判断してしまう。)
自分の間違いを認めず、正しいと思える要素を探す。
こういった偏りは、意識せずとも起こるようです。
『気になっているもの以外見えなくなる』だと、例えば「これは苦手だ」と感じていることがあるとすれば、『無意識に苦手だと感じる部分を探し出す』ということが起きます。
「人付き合いが苦手」と感じていると、「あまりうまくしゃべれない自分」を探し出し、「しゃべることが上手な人」と自分を比較し、「人に合わせることで疲れている自分」に気づきやすくなる。
そしてどんどんと「人付き合いが苦手」になってしまう。
本人が気づいてないだけで、「誰よりも聴くのが上手」、「誰とでも足並みを合わせることができる」、「あの人に聴いてほしいと話かける人が多い」などの特徴があるとしたら果たして「人付き合いが苦手」と言えるでしょうか?
「人付き合いが得意」だと仮定して自分を見直してみると、新たな自分を発見することになるかもしれません。
「できない」と感じると「できない理由」を探し始めるなら、「できる」と仮定して「できる理由」が見えてこないか見てみる。これを日々の生活に意識的に取り入れてみたいなと思いました。
誰しもが偏った見方で物事をとらえていると本書にはあります。その偏った見方に気づくことで日常に変化をもたらすことができるようです。
偏見に至る要素は日々の生活のあらゆるものに存在する。
それに気づくことが、物の見方を変えてくれる。
本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。
今回の読書も前回に引き続き、「偏見」をテーマにした本です。
なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか
ハワード・J・ロス【著】
御船 由美子(みふね ゆみこ)【訳】
なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか 逃れられないバイアスとの「共存」のために [ ハワード・J・ロス ] 価格:2,640円 |