無数の偏りに気づいていない/なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのかを訪ねる1
偏っていることに気づいているか?
今回の読書は、日常に沢山の「偏見」があるということを知る機会になりました。
「自分は、偏見で物事を見ている」と思うことは、なかなかにないのではないでしょうか。
しかし、色んな場面で「偏見」で物事を見ているんだろうなと、本書を読んでいて感じました。
例えば、「犬と猫のどちらが、忠実か?」と聞かれたとき、「犬」と答える人が多いような気がします。(この時点で偏見ですね。)日本だと、「忠犬ハチ公」の存在や、犬の場合「お手」「おすわり」「待て」などを聞いてくれることから、「犬は忠義が厚い」と考えることができるからです。
反対に猫は、「気まぐれ、自由気まま」なイメージが強いのではないでしょうか。一般的には、「待て」などをすることもなければ、人と散歩をしているというよりは、自由に外を出歩いている。人と行動を共にすることがないので「猫は、自由奔放」という印象を持ってしまうのかもしれません。
実際のところはどうかというと、犬も猫も個々に性格は違います。犬で人の言うことを聞かず、自由気ままな子もいれば、猫で常に人にくっついている、芸の仕込まれた子だっています。
犬猫のイメージだけに限らず、色んな所に「偏見」は存在します。そして、「偏見」は、いけないことだとわかっていても「偏見」をもって見てしまうこともあるようです。
どんなファッションをしようが、個人の自由だとわかっていても、「男性がスカートをはいている」のを街中で見たとしたらどうでしょう。きっと注目してしまうはずです。そして「男なのに、スカートをはいている」と思うことでしょう。
和服を着ている海外の人をみると新鮮さを感じるかもしれません。
生まれた場所を聞いて、その地域の特徴をその人も持っていると思い込んでしまうことも考えられます。
人は、意外と多くの「これはこうだ」といった固定観念や偏見でものを見ているようです。
しかし、偏見は必ずしも、悪いことだけとは限らないようです。
危険が迫っているときに、「これは、危ない!」と決めつけ、とっさに回避することが必要な時もあります。
色んな事が起こる日常生活で、「偏見」は素早く対処するのに役立つと今回の読書では気づきました。そして、生きるうえで人は誰しもが、「偏っている」ということでもあることだと知りました。
無意識のうちに偏った見方をしている。
それは時には、役立つ。
時には、過ちへ至る。
「偏見」は普通に存在する。
本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。
今回は、「偏見」をテーマにした本を読みました。
なぜあなたは自分の「偏見」に気付けないのか
ハワード・J・ロス【著】
御船 由美子【訳】
なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか 逃れられないバイアスとの「共存」のために [ ハワード・J・ロス ] 価格:2,640円 |