本を訪ねる

読書は自分を知る旅

なぜその話を聞けないのかを考える/LISTENを訪ねる17

聞けない話を振り返る

 今回の読書では、「すべての話を必ずしも聞く必要はない」という内容が印象的でした。

 

 悪意や怒りに満ちた話や、一方的な自慢話、繰り返される悲観的な話など、聞いていて自身がつらくなる話をずっと聞いている必要はない。

 

 同じような不平不満を繰り返し語る相手がいたとします。

 

 それをつらいのをがまんしてまで、親身に聴いたとしても、何も変わらないのだとしたら、距離を置いてみるのも良いのかもしれません。

 

 不平不満を言う場合。必ずしも解決をしたいと考えているとは限りません。

 

 例えば、不平不満を言うことで、自分の正しさを証明しようとしているだけかもしれません。そんなときは、仮に解決しても、他に不平不満を探すでしょう。

 

 苦しく、つらい思いをしてまで、一方的な会話を聞く必要はない。

 

 本書によると、聴くことには体力も必要だそうです。ただ苦しいだけの会話を聞き続けることで、他の大切な話を聴けなくなってしまってはあまりにも、もったいないことだと感じます。

 

 ただし、聴くことがつらく、苦しく感じる話でも、一度は、「なぜつらく感じるのか?」を考えることも大事なようです。

 

 アドバイスや思いやりある意見が、必ずしも耳触りの良い言葉だけとは限らない。

 

 話す相手の言葉に感じるつらさ、苦しさは、どこからくるのかを考えることが大切。

 

 そして、自分自身が誰かに、一方的な会話をしていないか確認するためにも、自分の話をしっかり聴くことも大切なんだと読んでいてわかりました。

 

 話をしながら、相手の表情や振る舞いなどを見つつ、自分が一方的に感情をぶつけていないか、その話をすることで相手を置いてけぼりにしていないかを確かめるようにする。

 

 一方的な会話をしないように、自分の話しにも耳を傾ける。大変だとは思いますが、大切なことだとも思いました。

 

 つらく、苦しいだけの話を、丁寧に聴く必要はない。

 

 けれども、それは本当につらく、苦しいだけなのかは振り返る。

 

 そして、自分自身、一方的な会話で相手を困らせていないか

 

 自分自身の話を聴きながら確かめる。

 

 会話は、一方通行ではない。

 

 帰ってくるからこそ、心に響く。

 

 今回も前回に引き続き、聴くをテーマにした本です。

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LISTEN

ケイト・マーフィ【著】

篠田 真貴子(しのだ まきこ)【監訳】

松丸 さとみ(まつまる さとみ)【訳】

LISTEN--知性豊かで創造力がある人になれる [ ケイト・マーフィ ]

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