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専門家になっていないか振り返ってみよう

専門家になっていないか?

 今回は

 もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

 第四章『みなみは専門家の通訳になろうとした』の読書感想になります。

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もし高校野球の女子マネージャーが

ドラッカーの『マネジメント』を読んだら

岩崎 夏海(いわさき なつみ)【著】

得意なことほど説明するときは初心を思い出そう

 第四章を読んで、『得意なことほど説明をするときは初心を思い出そう』と思いました。

 

 『得意なこと』を考えた場合、おそらく他の人よりも、熟知している場合が多いはずです。熟知している場合に、気を付けた方が良いのが専門用語です。

 

 専門用語は、特定の分野で使われる単語です。単語1つで説明が大幅に省略できますが、初心者やその分野に関りが無い人に、専門用語を使ってしまうと、かえってわかりにくく、理解してもらいたという意図と裏腹に混乱を招いてしまう可能性もあります。

 

 例えば、この記事を書いている2020年でよく聞いた専門用語では…

 

 ロックダウン(封鎖)

 

 エビデンス(根拠や証拠)

 

 エピセンター(発生地、震源地)

 

 などがあります。

 

 私がロックダウンを最初に聞いたときに思ったことは

 「岩タイプのポケモンのわざみたい」

 でした。

 

 いまでこそ、ロックダウンと聞くと危機感を感じますが、聞き始めは、危機感をあまり抱けませんでした。危機感を持ってもらいたいという相手側の意図と裏腹に、危機感を持てなくなる要因となっていました。

 

 おそらく当時の私に危機感を持ってもらうには、「ロックダウン」というよりも、「都市封鎖」などの日頃から使う『日本語』を活用した方がよいと考えます。

 

 以上のことから、『得意なこと』を、その分野に詳しくない相手へ説明する場合は、専門用語をなるべく使わず、わかりやすい言葉を使って説明することが大事だと思いました。

 

 初心に帰り、専門用語をまだ知らない頃の自分を思い出すと、より専門用語を無意識に使うことを防げると考えます。

 

 専門用語の他にも、経験の差で相手に理解されにくいこともあります。自分自身がこれまでに、経験してきたことを踏まえて、相手に忠告や提案をする際に、相手にとっては、経験したことではないために理解されないことってあったりします。

 

 そんな場合は、第四章にあるように、直に伝えたい相手に言うよりも、あいだにもう一人立ってもらって、通訳的な役割を担ってもらうことも良いのかもしれません。

第四章『みなみは専門家の通訳になろうとした』より

 専門家である監督の通訳になった。部員たちの声を彼に伝え、彼の声を部員たちに届けてきた。彼の知識と能力を、全体の成果に結びつけようとした。彼のアウトプットを、他の人間の仕事に統合しようとしてきた。

さいごに

 専門家というのは、仕事や『得意なこと』以外にも、家庭で言えば、『親』というものが当てはまると考えられます。例えば、子どもが進路を決める時期に差し掛かった時に、親と意見が対立するなんてことがあると思います。

 

 将来を考えた時に

 子どもは、『自分1人の将来』をイメージします。

 一方で親は、『子どもが家庭を持った時の将来』を考えるはずです。

 

 見ている先が違うのだから、親と子の意見は合わないのは当然なのかもしれません。

 

 自分ひとりの人生を考えることも、家庭を持った時の人生を考えることも、どちらも間違いということはないです。そこで、子どもと将来を話し合う際も、子どもだった頃の自分を振り返って話し合うことで、子どもの考えが理解できて、わかりやすく話せるようになると考えられます。

 

 『得意なこと』や『熟知していること』はありますか?

 それを誰かに伝える時、無意識に専門用語をつかっていたり

 自身のこれまでの経験から、相手の理解の先を行く忠告や提案で

 相手を置いてけぼりに話してはいませんか?

 初心の自分を思い出しましょう。

 そうすることで、相手と足並みをそろえられるはずです。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 ホンヨミでいつでも初心に帰ろう!

 

 もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

 第三章の読書感想↓

raikuhon.hatenablog.com

 

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (新潮文庫) [ 岩崎 夏海 ]

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