本を訪ねる

読書は自分を知る旅

答えを求め続けることが大切

 この世界のいくつの「こと」に答えや結論をだせているのだろう?

 あなたの周りには、どんな人がいますか?

 今回の読書感想は、こちらです。↓

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幸せになる勇気

岸見 一郎(きしみ いちろう)・古賀 史健(こが ふみたけ)【著】

 本書は、ベストセラー「嫌われる勇気」の続編となっています。

 前回の「嫌われる勇気」に登場した、哲人と青年の哲学問答が再び行われます。

 「嫌われる勇気」での哲学問答から3年後、青年が教師となり教育現場でアドラー心理学を用いたことで起こった出来事をきっかけに、再び哲人のもとを訪れるところから本書は始まります。

 今回は、第一部「悪いあのひと、かわいそうなわたし」を読み終えての読書感想です。

答えを出すことよりも、答えを求め続けることが大切

 第一部を読み終えての感想は、「物事は、答えを出すことよりも、答えを求め続けることが大切なんだ」ということです。

 第一部には根源的な欲求として、人は自由を求め自立を求めるとあります。

 確かに子どもの頃から多くの人は、学校からの宿題よりも、遊ぶことの方が楽しいし、仕事もやりたい仕事についてる、もしくはやりがいを感じている場合を除いては、休日に趣味などに時間を費やしている時間の方が、幸せに感じられるはずです。

 遊びや休日などの幸せに感じられる時間は、自分の意志で自由にできる時間。

 だからかこそ人は、自由を求めるのだと思います。

自由を求めるために必要な要素が自立

 自立とは、自身の力で生きること。そのためには、様々なことに向き合う勇気が必要になります。

 勇気を持って物事に向き合うようになるためには、「尊敬」が必要で、「尊敬」される、もしくは「尊敬」するには、「共感」が必要だと本書で哲人は語っています。

周りの人を尊敬する

 尊敬は、初めに自分から進んで周りを尊敬するようにすることで、周囲の人たちも同じように、自身の周りを尊敬するようになると本書には書かれています。

 尊敬は伝染する。確かに認めてくれた相手を認めようとする気持ちはわかります。

 相手の良いところを見つけていけば、尊敬しやすいと思います。

 しかし、誰しもそう簡単に尊敬できない相手もいるはずです。

「共感」しよう!

 簡単に尊敬できない相手がいた場合、本書では次のように考えてみようとあります。

 「もしもわたしがこの人と同じ種類の心と人生を持っていたら?」

 相手の立場にたって物事を考えるようにしてみる。

 相手の関心のあるものについて考えてみる。

 相手の考え方や価値観に「共感」をしてみることで、相手を理解し「共感」する。

 

 幸せは、自由から得られて

 自由は、自立から始まる

 自立は、尊敬が育み

 尊敬は、共感から生まれる

 

答えを出すことよりも求めることがすべてにつながる

 「自由」「自立」「尊敬」「共感」どれも答えを導き出すことよりも、常に答えを求めることこそが大切なんだと感じました。

 なぜなら、「自由」を「これが自由だ!」と1つの答えを出した時、そうでない時は、途端に「自由」ではなくなります。

 「自由」にはそれこそ色んな形があっても良いと思います。

 時間のすべてが思うように使えることが「自由」でも、一日の合間に、ほんの少しの時間をやりたいことに費やせることが「自由」でも、どの答えでも良いはずです。

 必要なことは、「自由」とは何か?答えを求め続けることにあると思います。

 そうすることで、普段の何気ない場面や状況でいくつもの「自由だ」と思えるものが見つかるはずです。

 「自立」もそうで、すべてを一人で完璧にこなせることこそが「自立」であると答えを出してしまえば、きっと世界中の誰もが「自立」は出来ないでしょう。

 「自立」も、「これって自立じゃない?」と考え続けることが大切で、「初めて二本の足で立てた」や、「初めてのお使いができた」や、「バイトで初めて給料をもらった

」、「一人暮らしを始めた」「初めて人に頼れた」これらも様々な「自立」の形ではないでしょうか?

 「尊敬」や「共感」も相手の人柄や価値観に「あの人はこういう人だ」と答えを見出してしまうのではなく、「わたしの知らない一面」はないかとか「どうしてこういう風な価値観を持っているのだろう?」と常に考え続けることで「あの人の新たな一面」を見つけることができ、「尊敬」や「共感」できる部分が増えて互いに「より強い勇気」を持つことができるようになると思います。

 

本書、第一部より哲人の言葉…

 われわれは、その対象について「知っている」と思った瞬間、それ以上を求めようとしなくなります。わたしはいつまでも自分を考え、他者を考え、世界を考え続けます。ゆえにわたしは永遠に「知らない」のです。

 この「知らない」はいくつもの「知っている」を含んでいるようで深い言葉のように感じます。なんかかっこいいですね!

 

他に第一部ではアドラー心理学での過去の扱い方について語られている部分が斬新な考え方に感じて面白かったです。

 

以上で、幸せの勇気、第一部「悪いあのひと、かわいそうなわたし」の読書感想をおわります。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

ホンヨミでたくさんの「知らない」ことに出会おう!

 

嫌われる勇気の読書感想①↓

raikuhon.hatenablog.com

 

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