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読書は自分を知る旅

褒める、叱るは過去志向

何に対して、ほめるもしくは叱るのか?

 今回は、幸せになる勇気の第二部【なぜ賞罰を否定するのか】の読書感想になります。

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幸せになる勇気

岸見 一郎 (きしみ いちろう)・古賀 史健 (こが ふみたけ)【著】

褒めても、叱ってもいけないは変えられないから

 幸せになる勇気、第二部【なぜ賞罰を否定するのか】では、子どもの教育に関しての話が主となっています。

 教育、指導するには、良い行いをした時は褒める。悪い行いをした時は、叱るというのが一般的には思い浮かぶのではないでしょうか?

 しかし本書で語られている「アドラー心理学」では、「褒めてもいけない、叱ってもいけない」とあります。

 その言葉で、本書で語られているアドラー心理学に感じたことがあります。

アドラー心理学は、未来志向

 前作「嫌われる勇気」では、悩みやトラウマは、「原因」があるから存在するのではなくて、なにかしらの「目的」のために存在するとありました。

 

 原因があるから悩むのではなくて、目的のために悩みを作り出す。 

 過去があるから未来があるのではなくて、未来があるから過去がある。

 

 そこで、本作「幸せになる勇気」の第二部の中で語られているアドラーが否定しているという「賞罰」や「褒める、叱る」について考えてみると、以下のことが浮かび上がりました。

 

 【何に対して「賞罰」を与え、「褒めたり、叱ったり」するのか?

 元にあるのは結果であり、結果とは「過去」

 「過去」に基づく考えは「原因論」と言えるのではないか?】

 

 「賞罰」、「褒める、叱る」というのは、過去志向であり未来志向ではないと考えられます。

変えられないものに目を向けるのではなく、変えられるものに集中する

 過去は変えられないけど、未来は変えられる。

 例えば、「賞罰」に関して言えば、悪いことをした時に「罰」を与えたとして、再度繰り返さないとは限りません。悪いことを起こした目的を変えさせなければ、繰り返し起こりうるのです。「罰」を与えるのではなく、「目的達成の別の方法」を一緒に考えることが大切かもしれません。

 

 「賞」にしても、「賞」を得たことで次も周囲に求められる結果を得ようと、人目が気になり、過度に失敗を恐れて行動に制限がかかってしまうかもしれません。アドラーは、「勇気づけ」で課題に立ち向かう勇気を持てるようにしようといいます。結果を褒めることよりも、これからの課題に勇気を持って取り組むようにするのが大切という考えです。

 

 変えられない過去について語るより、変えられる未来について語る。

 アドラー心理学は常に未来に向けて歩く勇気を持てる考えなのだと思いました。

第二部【なぜ賞罰を否定するのか】より…

 「変えられないもの」に執着するのではなく、眼前の「変えられるもの」を直視するのです。

最後に…

 第二部では、問題行動の5つの段階と段階ごとの「問題行動の目的」や、ケンカをすることの「目的」についてなどが語られています。どの話も気づきがあってためになります。特に教育や子育ての場面でも役立つのではないかと思います。

 

 哲人と青年の哲学問答ですが、お互いの話し方に温度差があって、良いバランスを保っているように思います。青年の子どものように、すぐに熱くなるような純粋なところが個人的には好きですね!哲学問答はまだまだ続いていきます…

 

 幸せになる勇気、第二部「なぜ賞罰を否定するのか」の読書感想は以上です。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 ホンヨミで、変えられる未来をより良くしよう!

 

幸せになる勇気第一部の読書感想。↓

raikuhon.hatenablog.com

 

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