本を訪ねる

読書は自分を知る旅

視点を変える勇気

前を向くことが必要

 今回は前回、前々回に引き続き、「嫌われる勇気」の読書感想です。今回で「嫌われる勇気」の読書感想は、最後になります。

f:id:raiku8:20201014204138j:plain

嫌われる勇気

岸見 一郎(きしみ いちろう)・古賀 史健(こが ふみたけ)【著】

なぜこうなったかではなく、なぜこうしているか?

 本書を読んでいて一番感じたことは、視点を変えようということです。

  • 原因から目的へ
  • 相手から自分へ
  • 縦の関係から横の関係へ

 日々、生活していくうえで、自然に置きやすい視点の位置を、意図的に反対に置いてみることで、違う考えや発想が見つかるというのは、問題解決に新しい活路を発見できる可能性があります。

 「引いてだめなら押してみろ」という言葉がありますが、それに近いように感じます。

 ほかに、砂時計があったとして上の空間から下の空間に砂が落ちていくのは、重力が上空ではなく地面にあることが原因です。この場合の重力という原因は、今すぐには自分の力で変えることは難しいです。宇宙空間にでも行かない限りくつがえせないでしょう。

 しかし、なぜ砂時計の砂を上から下に落としたいのかという目的を考えた場合、上から下にしか落ちない砂の行方を変えることができます。

 1、砂時計の砂を上の空間から下の空間に落としたい目的はなんなのか?を考える。

 ↓

 2、砂時計の砂を上から下に落としたいのは、一定の時間を計りたいという目的があるから。

 ↓

 3、一定の時間を計るという目的を達成するために、砂時計を使わずにストップウォッチを使うことにする。

 ↓

 4、砂時計はもう目的達成に必要ないので立てていたのを横に寝かせる。

 ↓

 5、すると縦に並んでいた空間が横に並ぶ(同じ高さになる)ことで、砂は重力(原因)に影響は受けますが、もう上から下の空間に落ちることはありません。

 今すぐに砂時計の砂を上の空間から下の空間に移動させない方法としては、砂時計を使わないで目的を達成する方法を活用することが良いと考えます。

 

 変えることのできない原因にずっと悩むより、変えることのできる目的に視点を移し、別の方法、方向はないかを、探ることのほうがずっと建設的なのだと本書では教えられました。

物事をいろいろな視点から見ることが大事

 原因や目的どちらに主観を置くか…

 相手や自分どちらを優先に考えるか…

 どの視点から見るのが正しいのか?

 本書は、アドラー心理学を用いた視点が解説されています。

 しかし、アドラー心理学の視点のみを正しい視点という考えでいるのはアドラー心理学原因にしてしまうのではないかと思います。

 「アドラー心理学では○○とされているからこういう結果になってもしかたない」の様にアドラー心理学が絶対的に正しい考えだとすると、変えられない原因となってしまいます。

 アドラー心理学も視点を変えて目的を達成する手段として用いることが大事だと思います。

 本書に、「大切なのは、なにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」という言葉があります。

 アドラー心理学も絶対的な考えではなく、視点を変えて考える方法の1つとして扱うのが良いと考えます。

感想まとめ

 本書では、普段の視点を考えさせられました。

 人は過去に起きたことが原因で、悩みやトラウマを抱えるという考え方をしがちです。しかし本書で、未来にこうありたいという目的で悩みやトラウマを作り出すという考え方を読んだときは、衝撃的でした。

 本書に書かれている考え方やアドラー心理学は、視野を広げることに非常に役立つと感じました。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 ホンヨミで様々な視点をもとう!

 

 嫌われる勇気読書感想①と②はこちらから↓

raikuhon.hatenablog.com

raikuhon.hatenablog.com

 

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え [ 岸見一郎 ]

価格:1,650円
(2020/11/13 19:19時点)
感想(513件)