本を訪ねる

読書は自分を知る旅

自立とは「わたしたち」である

「わたし」でもなく、「あなた」でもない

 今回は、幸せになる勇気、第五部【愛する人生を選べ】の読書感想です。

f:id:raiku8:20201126232954j:plain

幸せになる勇気

岸見 一郎(きしみ いちろう)・古賀 史健(こが ふみたけ)【著】

与えるでもなく、求めるでもない。

 第五部を読んで、衝撃的だったのが、これまで「課題の分離」で「自分の課題」と「他者の課題を」分けようと語られていたのに、自立とは愛から始まり、それは、与えるものでもなく、求めるものでもない。二人で築くことだと語られたことでした。

 

 愛とは、「わたし」中心でもなく、「あなた」中心でもない。

 「わたしたち」が主語になる。

 つまり、愛するでもなく愛されるでもない。

 愛し合うということだと考えられます。

 

 物事を考える時って、けっこう二極化しやすように思います。

 例えば、…「あいての意見を聞き入れる」か「自分の意見を押し通す」

 それによって、優劣のようなものがついてしまう。

 

 今回の、第五部では、「わたし」か「あなた」の気持ちを優先するのではなく。

 「あなた」の意見をしっかり聞き、「わたし」の気持ちも大事にする。

 そして、1(わたし)か2(あなた)の答えではない答え。

 3(わたしたち)の答えを導き出すことこそが自立のはじまりだとあります。

 

 いままで読んできて

 「あなた」と「わたし」を分ける様な話が多くかったのに対し

 そう来るのか!と驚きました。

世界の中心から外れる

 人は皆、生まれた時は世界の中心にいると本書では語られています。

 赤ちゃんであれば…

 ご飯を食べる

 着替える

 排せつをする

 どれもひとりではできません。

 そこでまわりの大人たちがそれらの手助けをする。

 周りが弱い「わたし」を中心に動いてくれる。

 

 しかし、「わたし」を中心に動いてくれはしますが

 成長してきて色んなことができるようになった時。

 様々な選択ができるようになります。

 仕事に交友関係に恋愛などたくさん。

 

 世界の中心にいる限り、それらを周囲の人任せにしなくてはならない。

 そう考えると、中心にいることは危ういことだと思いました。

 自分の人生を他者に任せるのだから

 自分の思うように人生を生きられません。

 

 そこで必要なのが、世界の中心から外れて自分の人生を生きること。

 

 中心を外れたからと言って、他の世界の中心にいる「誰か」に

 自分の人生をささげるのではなく

 その「だれか」と新しい中心のない世界を築きあげることが大事だと感じました。

 

共同体感覚とは…

 「あなた」のための世界でもなく

 「わたし」のための世界でもない

 「わたしたち」の世界に生きるための

 「尊敬と愛」から始まる新しいライフスタイル

 

 本書にあるように「わたしたち」という考え方は

 日常で自然に考えるのは難しいように感じます。

 しかし、それでも「わたしたち」が幸せになる生き方は

 他の誰でもない「わたしたち」にしかできない。

 

 「わたしたち」思考を日常から行えるように

 日々、意識しながら生活を送りたいです。

 

第五部【愛する人生を選べ】より…

 青年「愛し、自立し、人生を選べ!」

幸せになる勇気とは…

 幸せになる勇気とは、「わたしたち」で幸せを築く勇気

 本書を読んでそう感じました。

最後に…

 今回の第五部【愛する人生を選べ】で

 幸せになる勇気の読書感想は完了となります。

 

 第五部【愛する人生を選べ】では

 人生のタスクの1つ「愛のタスク」について語られています。

 弱さについての話は、とても面白く納得いく内容でした。

 あくまで傾向ですが、生まれ順の話も興味深い内容となっていました。 

 

 哲学問答形式で、青年が読者の代弁者となって

 疑問や否定をしてくれたので助かりました。

 おそらく、「アドラー心理学とは…」と説明のみになると

 青年のような疑問や否定がそのままの状態で話が進み

 謎だらけになっていたと思います。

 哲学問答形式は面白く、読みやすくとても良かったです。

あとがきより…

 本書のあとがきに著者の岸見一郎さんは、こう語られています。

 前作「嫌われる勇気」は地図

 本作「幸せになる勇気」はコンパス

 前作では、目標を提示して

 本作では、どのように進んでいけばいいのかを示しています。 

 

 嫌われる勇気での内容をさらに補間。

 そして、掘り下げているのが本作だと読んでいてかんじました。

 

 以上で幸せになる勇気、第五部【愛する人生を選べ】の読書感想を終わります。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 ホンヨミで「わたしたち」の人生を歩もう!

 

幸せになる勇気、第四部【与えよ、さらば与えられん】の読書感想↓

raikuhon.hatenablog.com

 

幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え2 [ 岸見一郎 ]

価格:1,650円
(2020/12/5 23:07時点)
感想(52件)