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差別とは、無知から始まる変化への恐れ

差別とは、無知から始まる変化への恐れ

 ひとことでいうと、自分は何に当てはまるのでしょうか?

 今回の読書感想は、こちらです。↓

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [ ブレイディ みかこ ]

価格:1,485円
(2020/8/7 23:25時点)
感想(48件)

 ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 ブレイディみかこ【著】

本書著者紹介より…

 ブレイディみかこさんは、保育士でライターでコラムニストです。

 1996年から英国ブライトン在住。ロンドンの日系企業で数年間勤務したのち英国で保育士資格を取得、「最底辺保育所」で働きながらライター活動を始めます。

感想①人種差別とは、相手と違う部分がわかりやすいので使用されやすい。

 本書はおもに、ブレイディみかこさんとその家族が住んでいる英国のブライトンにある、元底辺中学校に、息子さんが入学するところからの出来事が書かれている本です。

 出来事の中には、ブレイディみかこさん本人や息子さん、学校の友人たちのなかで起きる、国の違いや生まれの違い、人種の違いからくる差別が多く書かれていました。

 人種差別的なものは、ブレイディみかこさんの住む英国が、多種多様な国籍や生まれ、人種が共存するからこそ、より起きやすいのだと感じました。

 そしてそこには相手と何かが『違う』ことが多くある。それを人種や生まれが違うからという理由にしてしまえば、その違いを国や人種のせいにして簡単に結論を出せるのかなと感じました。

 それは『個人対個人』ではなく、『人種や国対人種や国』といったところに『違い』を持ち込むことで、その『違い』で自分自身が否定されないようにすることが出来る。

 『違う』ということは、時に恐怖を感じたり否定されたように感じます。しかし、個人から大勢の価値観に持っていくことで、『違う』ということでの否定や恐怖を感じにくくなります。場合によっては、相手と自分との『違い』によって相手を悪い存在や劣っていると感じてしまうようになってしまう。本書を読んでいてそう感じました。

 文化や価値観が『違う』ことで、否定されることや、自分の持っている文化や価値観を奪われないと思えることが、共存には欠かせないのかなと読んでいて感じました。

感想②貧富の格差は優劣を誤解させる。

 貧富の格差も本書ではおおく取り上げられています。特に本書では、息子さんの学校生活から貧困の子どもの取り巻く環境や、貧富の格差によって教育に差があることが書かれています。

 貧富の格差で、お互いに優劣があるように感じてしまう。貧富の格差はその人の、特に子供の場合は、個人の能力からくるものでは無いはずです。しかし社会では、優劣となってその人を苦しめる。とても悲しいものだと感じました。

 どうして相手がその状況に置かれたのかを知ることが貧富の格差の優劣で差別を生まないためには、必要なのかなと考えました。

感想③これから必要なことが、本書にはある。

 ここ何年か前から、日本でも海外から働きに来る人が増えてきています。コンビニなども利用するときに、レジを海外の方が担当しているのをよく見かけます。

 僕の職場にも何か国からか資格を取りに来日していたり、海外で仕事をする経験をしたいといった理由で日本を訪れている人がいます。やはり仕事を一緒にしていると文化的に違うことや宗教的に違うことがあります。その違いを正解や間違いで判断、否定するのではなく、活かす方法や尊重することが大切だと思います。

  文化が違うからと言って、自分の中の価値観が奪われるわけではありません。

 おそらく、世界はこれからどんどん多国籍、多種多様になってくる可能性が高いのかなと思います。そこから起きる恐れや差別には相手を知ることで克服できるように思います。

 本書には、次の言葉があります。

 老人はすべてを信じる。

 中年はすべてを疑う。

 若者はすべてを知っている。

 子どもはすべてにぶち当たる。

 たくさんの人で構成された世界を、1人の人間に例えるなら、いまの世界はどの世代に当てはまるのだろうと、ふと考えてしまいまいした。

 ただ、きっとぼくらはまだグリーン、もっと成長できる可能性がある。

 そう思います。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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