本を訪ねる

読書は自分を知る旅

役割りで見ると悩みができる。

悩みとは、だれで何であるかから始まるかもしれない。

 こんにちは、ライクです。

 今回の読書感想はこちらです。↓

誰にも相談できません みんなのなやみ ぼくのこたえ [ 高橋 源一郎 ]

価格:1,540円
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感想(1件)

 誰にも相談できません

 みんなのなやみ ぼくのこたえ

 高橋 源一郎(たかはし げんいちろう)【著】

本書著者紹介より…

 高橋源一郎さんは、作家です。

 1981年に『さようなら、ギャングたち』でデビューしました。

新聞の人生相談が好きだった。

 高橋源一郎さんは、自分の知らない『未知の人生』、これから知るであろう『人生の断片』がそこにはあると感じたことから、小さい頃から新聞の片隅にある『人生相談』が好きだったそうです。

 それから60年、源一郎さんは、『人生相談』で回答する側になりました。

 人間は、遥か昔から悩み、苦しみ、それを誰かに打ち明けてきた。

 人間とは、ずっと同じ悩みを抱えているようにみえるが、同じようであって悩みは、人それぞれであると、源一郎さんはおっしゃっています。

 本書では、2015年4月27日~2019年12月22日に、毎日新聞に掲載された人生相談から抜粋された相談を加筆、再構成したものが書かれています。

 著者である源一郎さんが誇れることは、誰よりもきちんと悩みを抱える人たちの言葉に耳を傾けてきたことです。

著者の回答に関する感想。

 著者の源一郎さんの回答は、軽快さがあって読みやすかったです。

 悩みというネガティブで重たく感じるものに、軽快さを持った回答を返すことで、相談と回答のバランスが取れていて、読みやすくなっているように感じました。

 家庭関係に関する相談では、自身の育った家庭環境を語ることもあり、相談に対する回答に説得力がありました。

 時には回答のなかに、源一郎さん自身の弱い部分や相談に共感している部分があって、それを隠さずに書いていることから人間味を感じます。

 返答してくれる相手に人間らしさを感じる事は、相談相手に「この悩みはおかしな悩みではない」という安心感をもたらしているように思いました。

目次より…

 Ⅰ、恋をしたことがありません(主に恋愛の悩み相談)

 Ⅱ、夫のすべてに悪寒が走る (主に夫婦間の悩み相談)

 Ⅲ、家族ってなんですか  (主に家族の悩み相談)

 Ⅳ、ブサイクって言わないで! (主に自分の家族と恋人、嫁・姑の悩み相談)

 Ⅴ、占いが気になります (主に自身ではなく、家族の悩みや価値観に対しての悩み相談)

 Ⅵ、やる気がないけど、どうしよう(主に将来に向けての相談)

 Ⅶ、あめをもらってもいいですか(その他の相談)

悩みはなぜ起きるか?本書を読んで感じた3つのこと。

 本書を読んで、悩みは以下の3つから発生しやすいのかなと考えました。

悩みとは、一般的から離れてると感じると発生する。

 はじめに悩みとは、一般的な価値観や常識と離れていると発生するのかなと思いました。

 特に恋愛に関する悩みは、そもそも同じ人間なんていません。

 誰しも個性的で一般的ではない。

 そんな個性的な人間が、それぞれの考えや価値観を掛け合わせるため、一般的という価値観から、さらにかけ離れやすく悩みが発生しやすいのかもしれません。

悩みとは、自分にはどうしようもない時に起きる。

 つぎに悩みとは、自分にどうしようもない時に発生すると感じました。

 夫婦間の悩みは特にそうだと感じました。

 夫婦とは、1人であって1人ではない。

 夫や妻は長く付き合っていく相手で、言ってしまえば自分の人生の半分とも言えます。

 自分の半分に思っているものが思うように動かないことでイライラや悩みになるんだと本書を読んでいて感じました。

役割りが悩みを作る

 最後に悩みとは、役割を得ると発生するように感じました。

 例えば、子どもとは、こうすることが当たり前。

 親とは、こうするべき。

 嫁とは、夫とは、姑とは、孫とは、友達とは……

 自分の役割から相手の役割へと、求め、求められたりすることで悩みは発生する。

悩みを解決するには…

 今回、本書を読んでいて「役割りではなく、1人の人間としてしっかり見る」ことで解決する悩みが多いように感じました。

 一般的というのは、大勢の平均です。

 大勢の平均ということは、自分以外になれない人間には、どうあっても完全な一般的にはなれません。

 大勢の平均ではなく、一人の多様性として見ていく。

 それが悩みの解決につながるのかなと、本書の人生相談を読んでいて思いました。

まとめ

 誰にも相談できない悩みとは、大多数の平均を軸にすることから生まれる。

 一般的になれない僕らは、誰しも誰にも言えない悩みを抱えている。

 しかし、遥か昔からその悩みを相談することで乗り越えてきた。

 向き合い、打ち明けることでより良く人生を歩める。

 抱えるだけがすべてではない、一緒に持ってもらうこともできる。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 本読みでたくさんの多様性に出会おう!