本を訪ねる

読書は自分を知る旅

普通と変化に向き合う自分らしさ

小説家と何者かになろうとする若者たち。

 こんにちは、ライクです。

 今回の読書感想は、こちらです。↓

泣いたあとは、新しい靴をはこう。 10代のどうでもよくない悩みに作家が言葉で向き合ってみた (一般書 270) [ 日本ペンクラブ ]

価格:1,650円
(2020/7/1 22:36時点)
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泣いたあとは、新しい靴をはこう。

10代のどうでもよくない悩みに作家が言葉で向き合ってみた

【編】日本ペンクラブ

本書より、日本ペンクラブとは?

 ロンドンに本部を置く、国際P.E.Nの日本支部

 1935年創立で、初代会長は島崎藤村

 文学と文化的表現に立脚しながら、人権、言論表現の自由を守る活動を行っています。

どうでもよくない悩み…。

本書は、大きく分けて三部構成になっています。

第一部 自分のことに悩んだとき

 第一部は、自分のカラダのことやココロのことについての悩みが挙げられています。

 身長や性徴、孤独や原因不明のモヤモヤした気持ちに関する悩みに、作家の方々が向き合い回答しています。

第二部 人間関係に悩んだとき

 第二部は、学校や恋愛、家族間の人間関係についての悩みに、作家の方々が向き合います。

 学校のことでは、親友や、いじめっこ、先生。

 恋愛のことでは、恋人の誘いへの対応や、失恋、好きな人に幻滅されたくないなど。

 家族のことでは、なぜ自分を生んだのか?や、両親の離婚にまつわる悩みなどです。

第三部 将来に悩んだとき

 第三部は、お金や進路の悩みがテーマです。

 お金のことは、家庭が生活保護を受けていることや、塾に行けないこと、洋服が買えず、ファッションを自由に選べないなどの悩み。

 進路に関しては、親の都合で進学できない、反対に親を助けたくて定時性の高校に通いアルバイトをしたいなどの悩みです。

悩みに関して思うこと。

 本書を読んでみて、紹介されている悩みに感じたことがあります。

 10代というカラダもココロも環境も素早く変化していく時期。

 そんな時期に、自分の変化が正しいのか?皆も一緒なのか?ということが主な悩みになっていると感じました。

悩みに向き合う作家たち。

 悩みに向き合う作家さんたち。

 本書を読み進めて、思うことがありました。

 作家だからと言って、すごい解決策を創造し文章にするのかなと思っていたのですが、案外回答は普通の大人だと感じる部分が多くありました。

 しかしそんな中にも、作家さんならではの回答だと感じる部分もありました。

回答に具体的な提案がある。

 作家さんたちの解決策には、具体的な提案がされている場合があります。

 例えば、中学卒業後に父が亡くなって、1人でここまで育ててくれた母を支えたい。

 しかし母は、普通の高校に通って欲しいと頼んでくる。

 金銭面的に厳しいのは明らかで、どちらを選ぶべきか?

 この悩みに回答した作家の濱野京子さんは、答えの中で普通の高校に通える方法もあることを紹介しています。

 普通の高校に通う方法の紹介の中で、『文科省の高校生等への修学支援サイト』について話しをされています。

 すごいところは、その修学支援サイトの、メールアドレスをしっかり記載していることです。

 悩んでいる学生さんが行動を起こす前提で、メールアドレスを紹介しているのだと思います。

作家という夢を叶えた大人だからこそ、行動を前提に質問へ回答している。

 回答をしている作家さんたちは、作家になりたくて作家になった、いわゆる『将来の夢』を叶えた人たちです。

 夢を叶えるためには、行動が必要と分かっているからこそ、行動につながる回答になっているの部分があるのだと思います。

 そんな回答は、読者である僕から見ると、悩んでいる少年少女に対して中々ハードルが高いことを言っているなと感じることもありました。

 ただ、それは悩んでいる少年少女が行動を起こし、その悩みを乗り越えることを信じて導き出した答えなんだと思います。

 

 10代の頃はいろいろな悩みに直面する。

 それは、どれもどうでもよくなくて、戸惑うことがたくさんある。

 みんなと一緒か?普通か?それは正解か?

 でも大丈夫、みんなも悩みは違えど、一緒に悩んでいる。

 その悩みを乗り越えたら、普通に自分の個性を身につけている。

 これで良かったと、正解だったと思える日が、いつか来る。

 だから…今は、歩こう。

 泣いたあとは、新しい靴をはこう。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 本読みで新しい靴をはこう。

 ※この本は図書館で借りました。最寄りの図書館にあるかもしれません。