本を訪ねる

読書は自分を知る旅

自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくるを読む②/思考と融合することで起きること

思考だけでは足りない

 誰しも一日に何回、何十回、はたまた何百回と思考を巡らせる。今回の読書はそんな、思考との付き合い方について考えさせられる読書でした。

本日の本

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自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる

ラス・ハリス【著】

岩下 慶一(いわした けいいち)【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 心は私たちに思考を次々と投げかけ、餌をちらつかせる。餌に食いつき、それにつかまると、私たちは自分の思考に絡めとられてしまう。そして思考は行動に大きな影響を及ぼし始める。

思考と融合する前に『有効性』を確認する

 大昔、心にとっての大事な仕事は、人を死から遠ざけることだったと本書には書かれています。原始時代は今よりも、多くの危険が潜んでいて、獣に襲われる危険、他の勢力に襲われる危険、ケガや病気についても今より重篤になる可能性は多かったでしょう。死が現在よりも身近なものだったのでネガティブな思考が役立った。代々、ネガティブ思考を使って生き延びてきたので、ネガティブ思考になるのはごく自然なことと本書では語られています。

 

 そして、ネガティブ思考だけでは、ネガティブな行動にはつながらないとも本書で著者は語っています。重要なことは、心が投げかけてきた思考と自分が融合することだそうです。

 

 心は、遥か昔から代々、人を死から守るために思考をしてきました。「どうせできっこない」「今日は疲れているからやめよう」「もっと上達してからやろう」「しんどい」「なにも変わらない」など、僕たちを危険から遠ざけるための理由を様々な事柄に対して作って語ってみせます。

 

 心が作った、不安や心配をあおるような思考にとらわれてしまったときに、初めて行動することに思考が現れる。

 

 ポジティブ思考もネガティブ思考も、心の作った予測や言葉、イメージと自分の思考が同じものになった時に表面に現れてくる。本人の同意なしではどんな思考もその人をコントロールできない。今回の読書ではそう感じました。

 

 もしも、やりたいことと正反対の言葉やイメージ、物語(予測)を心が送ってきたら、その送られてきたメッセージに『有効性』があるかどうかを確認することを著者はお勧めしています。

 

 『有効性』とは、「その行動が、より豊かでより満ち足りた、意味ある人生を創造するために役立つか?」です。

 

 心からのメッセージをそのままに受け止めるのではなくて、心からのメッセージに『有効性』があるのかを確認する。

 

 「どうせできっこない」は、できないとしてもやることで今よりも前進することは可能ではないのか?

 

 「今日は疲れているからやめとこう」は、では明日以降に今日よりも体調の優れた日があるのか?

 

 「もっと上達してからやろう」は、どの程度上達してからやるのか?そもそもやらなければ上達のしようがないのではないか?

 

 本当に心からのメッセージに従うことに『有効性』があるのかを確認してみる。有効だと感じたなら心に従う。有効だと感じないならそのメッセージは受け流す。

 

 著者は、役に立たない思考にとらわれた時、それをまずは認めることが大切だと語っています。認めたうえで受け流す。

 

 心が発したメッセージには必ずしも役に立つことではないこともある。あるがまま従う前にそのメッセージが自分の行動において有効か確認してみる。

 

 今回の読書では、心から送られてくる思考と一体化しない方法がいくつか紹介されています。どれもユニークで面白いものでした。(思考をハッピーバースデーの歌のリズムに合わせて歌ってみるとか)

 

 著者は一体化しない方法で、心に感謝するという方法が好きだと語っています。「意見をありがとう」「心よありがとう、いい物語だね」などです。確かに心は悪気があってネガティブ思考を送ってくるわけではなく、僕たちを守るためにネガティブな考えを送ってきていると考えたら、「気遣ってくれてありがとう」と感謝をするのが、心への対応としてしっくりくる気がします。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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