説得をするときは誰にメリットがるのか?
説得をしたこと、説得をされたことはありますか?それはどんな時でしょうか。今回は『説得』について考える読書でした。
本日の本
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら
岩崎 夏海(いわさき なつみ)【著】
歩くヒントになるコトノハ
「『説得』とは、相手にとっての『得』を『説く』ということなの。相手に、『あなたにはこれだけの得がありますよ』と教えてあげること。こちらの都合に合わせて、お願いしたり、頼んだりすることじゃないのよね。だから『説得』という字をかくのよ」
説得は自分以外に相手のメリットを見つける
『説得』は『依頼』ではない。本書の登場人物、真実(まみ)のセリフです。『説得』は相手に得があることが前提で、そこが自分の用件を頼む『依頼』とは違うようです。
説得をすると聞くと、僕自身は何か相手を言いくるめる様なイメージを持っていました。自分の、もしくはチームのためのメリットが優先で話を持ち出す。そんなイメージです。そういったイメージなので『説得』という言葉にはあまり良い感情は持っていません。
しかし、本書にあるような相手のメリットを起点に考えて、双方のメリットが平等な『説得』ならアリだなと感じました。
例えば、会社で誰かが退職することになったときや、人事異動の話を持ち出すとき、会社側としては人員が減ってしまうなどの理由で退職者を引き止める、異動を持ちかける。ただ、そこに相手のメリットが考えられていない場合。
仮に退職者を思いとどまらせた、異動を承諾してもらえたとしても、人員確保だけのために話を持ちかけたならその次がありません。結果的に相手の考え方や取り組み方は、あまり良いものになることはないかもしれません。
退職を、「人がいないからもう少し待ってくれ」という理由で思いとどまったなら、常に思いとどまらなかったらどんな人生を歩んでいたかを想像する日々になり、目の前の業務に真摯に取り組むことができなくなる。「やりたい仕事」から「してやっている仕事」に変わってしまい、周囲との関係にも支障をきたすことも考えらえます。これは異動にも当てはまるでしょう。
誰かに提案をし、協力を得ようと『説得』をするとき、そこには自分の『得』を『説く』だけではなく、相手の『得』もあるかを考え、互いにメリットがある場合のみ『説得』を試みることがよいと今回の読書では感じました。
相手に『得』がない場合。交渉が自分の優位に進んでも、長期的に見れば質の低下や不協和音などにつながるかもしれません。なにより相手の真摯的に仕事に取り組む姿勢を奪ってしまうことになる。そう思いました。
これは、仕事だけでなく家庭内でもありうる話だと考えられます。家事の分担や子どもの宿題など、相手のメリットを起点に話し合うほうが長期的にはお互いに良いと考えます。
よい人生を歩んでほしいから『とにかく勉強をしなさい』よりも、子供の将来の目標を聴いてその目標にたどり着くためには今どんなことが必要かを話す。そこに勉強をする『得』が子供にあることをしっかり『説く』。
家事の分担なども単に押し付け合いではなく、双方が快適に暮らすためにはどうするかを話し合い、相手にもメリットが見いだせたら相手への『得』を『説い』てみる。
相手の『得』を起点にお互いによりよい方向性を考えてみる。それが実現できれば、互いに真摯に課題に取り組むことができる。
そんな『説得』なら大歓迎ですね(^^)
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら [ 岩崎夏海 ] 価格:1,760円 |