本を訪ねる

読書は自分を知る旅

共感と相手視点に立つことの違い/GIVE&TAKEを訪ねる7

 感情に寄り添うか、考えを推し量るか

 こんにちは、ライクです。

 前回に引き続き、「与える」をテーマにした本を巡っていきます。

 

 別の立場にある人と、お互いのためになる結論を出そうとするとき、相手のことを考える必要があります。相手のことを考えるとき、「感情」に寄り添うか、「思考」を推し量るかどちらが良いのでしょうか。

本日の訪ねる本

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GIVE&TAKE

「与える人」こそ成功する時代

アダム・グラント【著】

楠木 建(くすのき けん)【監訳】

歩くヒントになるコトノハ

 双方の利益が対立する短期間の交渉においては、相手の心ではなく頭の中に注目することで、大いにギバーの有利になる。

相手視点から考えることは、相手自身になろうとすることではない

 相手の気持ちに寄り添い、共感することは、相手を理解するうえで重要なことだと思う。共感することで、相手と喜びや悲しみ、楽しさや痛みを共有することができるからだ。

 

 相手と同じ価値観、方向性をもっているなら、共感することは役立つと感じる。

 

 相対する関係ならどうだろうか。

 

 相対した関係の場合、相手の気持ちに共感すると、自分の利益を犠牲にしてしまう危険性があることに今回の読書では気づかされた。

 

 話し合いで、どちらか一方の考えが正しい、ベストとは限らない。

 

 相手の感情が悲観的な場合に、その感情に共感しすぎたら、改善策を見い出すことが難しくなるはずだ。

 

 相手が自身の優位な結果だけを考えていた場合にも、相手に共感することは、自分にとっては、良くない結果を招く。

 

 そこで本書では、感情に共感するのではなく、相手の思考を推察することを勧めている。

 

 相手がなぜそいういった考えにいたったのかや、どうしてそういった行動をとったのかなど、気持ちではなく、思考に焦点をあてる。

 

 相手の感情と自分の感情を分けて、相手の思考を推し量ることで、丸っきり同化して自分の意見を言えなくなる状態を避けるようにする。

 

 感情に共感してしまうと、同情などから意見が言えなくなってしまうことでも、推察ならば、自分の考えがぶれずに済むので、質問などをすることが難しくなくなる。

 

 お互いにとって良い結論をだすためには、相手になりきるのではなく、相手の視点を想像して、自分の目線で見てみることが大切。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 また、どこかでお会いしましょう。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 [ アダム・グラント ]

価格:1,980円
(2021/5/11 21:19時点)
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