本を訪ねる

読書は自分を知る旅

与えること、求めること/GIVE&TAKEを訪ねる1

なぜ与えるのだろう?

 こんにちは、ライクです。

 

 誰かに、物を与える、力添えをして支える。人は、与えるという行動を常日頃から行っています。

 

 与えて、得をするときもあれば、損をするときもあります。

 

 人はなぜ『与える』のか?

 

 今回は、『与える』ことについて書かれた本を訪ねます。

 

 それでは、歩いていきましょう。

本日の訪ねる本

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GIVE&TAKE

「与える人」こそ成功する時代

アダム・グラント【著】

楠木 建(くすのき けん)【監訳】

歩くヒントになるコトノハ

 テクノロジーと組織における変化が、与えることをより有利なものにする一方で、実は、与えることにはいつの時代も変わることのない特徴が一つある。それは、生きるうえでの基本方針を考えてみれば、人はたいてい「与えたい」と思うものだということだ。

損得と大きな価値

 本書には、与えることに対して人が持つ3つの価値観が紹介されている。

 

 1つ目はギバー、人に惜しみなく与える。

 

 2つ目はテイカー、真っ先に自分の利益を優先させる。

 

 3つ目はマッチャ—、損得のバランスを考える。

 

 人は、3つのうちの1つの価値観だけではなく、環境によって3つの価値観を使い分ける。

 

 ある人は、家庭では、ギバーであるのに対して、職場では、マッチャ—になるといったように、どちらにもなる。

 

 大昔から人々は、1人で生きてはいなかった。集団でそれぞれの役割をこなし、自分が持てるものを『与え合って』生きてきた。しかし、言いかえれば、『求め合って』生きてきたとも言えるのではないだろうか?

 

 本書を読んでいて、与えること、求めることは表裏一体なのだと気づかされた。

 

 テイカーとマッチャ—のときの与える価値観というのは、与えることと、求めることが表裏一体なのがすごくわかりやすい。

 

 テイカーが与えるとき、自分自身に利益が還元されることを想定して人に与える。テイカーの与えるにはぴったりと要求がくっつている。

 

 マッチャ—も、与えたら要求し、受けっとたら相応のものを返すというように、支え合い、求め合いの表裏一体の関係になる。

 

 ギバーは与えるだけの一方通行のように感じるが、読み進めていて感じたことは、しっかり求めているものがあるということだ。

 

 ギバーが求めているものは、テイカーのように自身の利益だけではない。かといって、マッチャ—のように等価交換でもない。

 

 ギバーの求めているものは、与えた以上のもので、相手に求めていないように思う。

 

 与えた以上のものということは、1度のギブでは還元されない。10円玉1枚と100円玉1枚を両替できないように、数回のギブが必要とされる。

 

 そして、与えた相手自体に求めていない。与えることで、仕組みや環境が変わることを求めているのだ。

 

 大きなものを求め、特定の相手に要求をしていない。だからこそ、ギバーのときの与え方は一見、損をしているように見える。

 

 しかし、長期的な視点を持てば、ギバーの与えかたは、自分を含めた環境全体の向上には役に立つ。そして長期的な視点で見ているので目先の損で一喜一憂することもギバーは少ないように思う。

 

『寄付』で想像してみよう。

 住んでいる地域の学校のとある部活が、全国大会に出場するたことになった。そのために資金を集める必要がある。そこで、町中で募金活動をしているとしよう。

 

 この部活と自分自身がなんら関係もなく興味もないとしたら、そこに寄付をしたところで、おそらく、全国大会で敗退しても、優勝しても、なにかメリットを感じることはないだろう。

 

 では、長期的な目線をいれて募金というものを考えてみよう。全国大会の勝敗ではなく、学生たちの経験に寄付をする。全国大会にいくことで様々な体験をするだけでなく、支えられた経験から自己肯定感を育む。

 

 与えられることの素晴らしさに気が付くことができた学生たちは、社会に出たときに、他の誰かに与えることをする。

 

 その誰かはさらに他にギブをする。

 

 目には見て、感じることはできないが、1つのギブが長期的な目線では実は、環境を向上することに役立っている。

 

 ギバーの長期的で大きな視野をもったギブは、まわりを巻き込んだ成功へと導く。 

与えると求めるは表裏一体

 与えることは求めることでもある。

 

 一見、与えたことで損を感じたとしても、長期的に見れば大きな成功を収めるきっかけになることもある。

 

 損を率先してとるように見える人がいたとしても、実は大きな視野で、まわりを成功に導こうとしている人かもしれない。

 

 今回の旅はここまで、最後までお付き合いありがとうございました。

 

 またどこかでお会いしましょう。

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