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読書は自分を知る旅

鈍感な世界に生きる敏感な人たちを読む2/高い目標と自尊心

 愛される努力をやめてみる

 今回の読書は、高い目標と自尊心の低さについて考える内容でした。

本日の本

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鈍感な世界に生きる敏感な人たち

イルセ・サン【著】

枇谷 玲子(ひだに れいこ)【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 愛される価値のある人間になるためにさまざまな努力をしているとしたら、やるべきなのは〝努力するのをやめること〟です。ほかの人から距離を置かれなよう、自分のある面を隠そうとあれこれ努力をしているなら、同じくその努力はやめるべきです。

愛されるとは自分があるということ

 高い目標を掲げて、より一層の努力をする。目標に向かって努力をしている人がいれば応援したくなる人は多いのではないでしょうか。一見、自己研鑽のための努力に見えても、認められたくて過剰に無理をしている努力だった場合はどうでしょうか。

 

 本書には、自信は自分の能力と行動に対する信頼。自尊心は自分の内側に潜む芯の部分を感じ、自分の価値を信じる心とあります。そして、自尊心が高くて、自信がない人がめったにいないのに対し、自信満々な人の自尊心が低いことはよくあると著者のイルセさんは語っています。

 

 行動には自信をもっていて、良い成果を出していても、自分の本質的な価値は低く感じている人もいるということでしょう。

 

 よい成果をだしているのに内心「これでよいのだろうか?」、「みんなに認めてもらっているだろうか」と考えてしまう。そして認めてもらうために過剰に努力をしてしまう。高い目標設定をしてしまう。

 

 「認められるためにはもっと努力をしないと」「努力をしないと見放されてしまう」という自尊心の低さから、高い目標設定に行きつく。

 

 高い目標を掲げて無理をして達成したとしましょう。その場合に「愛されている」と感じることはできるでしょうか。おそらくできないと感じます。なぜなら自尊心は低いままだからです。

 

 無理して掲げた高い目標を継続しておこなっていくのも、おそかれはやかれ大きな負担になって自分自身を苦しめると考えられます。

 

 本当に必要なことは、自尊心を高めること。

 

 本書には、低い自尊心と高い基準は補い合う関係にあると書かれています。反対に低い自尊心を高めるためには高い基準を落としていくことが重要ともあります。

 

 もしも、高い目標を掲げていて、それが愛されるためであるなら、目標の基準を落としてみる。または、あきらかに無理をしている人が身近にいるなら、高い目標がなくても受け入れてもらっているとわかる環境つくりを試みてみるのもよいと考えます。

 

 基準を落としてみることで、過剰の努力は愛されることには必要ないのだとわかる。ありのままで受け入れてもらっていると感じることで、よりよい関係と生活を築ける。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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