本を訪ねる

読書は自分を知る旅

鈍感な世界に生きる敏感な人たちを読む1/敏感さ、それは性質

 敏感さは性質であってデメリットではない

 ときどき耳にする言葉〝HSP〟についての本を今回は読んでみました。なんとなくこういうことなんだろうなと思っていた〝HSP〟について価値観が変わる内容でした。

本日の本

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鈍感な世界に生きる敏感な人たち

イルセ・サン【著】

枇谷 玲子(ひだに れいこ)【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 たとえば、「良心的」「創造的」「インスピレーションを得やすい」「影響を受けやすい」「感情移入しやすい」など。これらの特徴は、人生に不都合をもたらすおそれがありますが、その反対に、想像力や共感力、親しみなどを生む源にもなりえます。平穏な環境では他の人より幸福を感じやすいということは見過ごされてしまっているのです。

敏感であるということ

 〝HSP〟とは「とても敏感な人」と本書には説明されています。著者のイルセさん自身がHSPであるそうです。

 

 この本に目を通すまでは、〝HSP〟とは、敏感すぎて生きにくい人たちのことなのかなと、なんとなく想像していました。正直にいうと、『とても敏感』という言葉にあまりいいイメージが思い描けませんでした。

 

 しかし、今回の読んだ範囲では、『とても敏感』であることの、大変さ以外に『とても敏感』であるゆえに得られるメリットも語られていて、勝手に抱いていた大変そうというイメージから、性質的なもので良い部分もあるというイメージに変わりました。

 

 鈍感であることにもメリット、デメリットがあるように、敏感であることにもメリット、デメリットがある。『とても敏感』であることは、病気でもなく、性質。

 

 本書に紹介されているとある研究の内容では、困難な状況下でほかの子のよりも強い反応を示した子(感受性の強い子)は、ストレスフルな環境下では、ほかの子よりも病気にかかりやすく、事故にあいやすいことがわかったのに対して、通常の環境下では、ほかの子よりも病気にかかりにくく、事故にあいにくいとあります。

 

 『とても敏感』であることで、想像力が豊で、内的生活が充実しているということも本書では紹介されています。『とても敏感』という性質であるため、ゆったりとした日々でも感覚が働き、次々と想像が湧いて、創作活動に取り組む人もいるようです。

 

 ただ、一度に多くの情報を吸収してしまうために、良し悪しに関わらず体力がもたないこともあるようです。楽しくても、『タフ』な人より休憩が必要なことも多いようです。

 

 今回の読書の範囲では、〝HSP〟の能力ということで7つほど紹介されていました。どんな性質でも、環境などによってメリット、デメリットがでるように〝HSP〟

も環境などで、楽しみを見いだせることがわかりました。

 

 ひとえに〝HSP〟といっても外向的であったり、自ら刺激を求めたりする人もいると著者のイルセさんは語っています。

 

 〝HSP〟と1つの言葉では表せないくらいに個々人で性質は様々。今回の読書では、そのことがわかっただけでも自分の中のイメージを覆す大きな発見でした。

 

 最後までよんでいただき、ありがとうございました。

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