本を訪ねる

読書は自分を知る旅

Think clearly(シンク・クリアリー)を読む⑦/成功は自分で決める

時代によって変わるもの

 成功を収めるというと、どんなことを思い浮かべるでしょうか?

 それは、その時々で変わるものだと今回の読書でわかりました。

本日の本

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Think Clearly

(シンク・クリアリー)

ロルフ・ドベリ【著】

安原 実津【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 現代社会は、なぜ人々を「物質的な成功」に導こうとするのだろうか?それ以外の、たとえばもっと時間的なゆとりのある方向に導くのではダメなのだろうか?なぜ富豪のリストはあるのに、満ち足りた人生を送っている人のリストはないのだろう?

一般的な成功よりも自分の思う成功を見つける

 「成功とは時代の産物」だと本書には書かれています。狩猟時代では、狩りで沢山の獲物をしとめてくることを「成功」。農耕時代なら、実りが多いことが「成功」。現代の通貨でやり取りしている時代なら、どれだけ財産を持っているかが「成功」といった具合でしょう。

 

 時代というのは、何世代にも渡る大きな時間の流れの時代と、赤子から老齢までの1人の人間のサイズに収まった時代というものもあるのではないでしょうか。人ひとりの人生も「成功」というものは変わっていくのではないかと思いました。

 

 赤子のときの「成功」というと何でしょうか?両親からたっぷりと愛情を注いでもらうことでしょうか。両親が身の周りの世話をすべて行ってくれる。ご飯も入浴も何から何までやってもらえることが赤子の「成功」。

 

 仮に赤子の「成功」が上記のようなことだとします。そうすると学生時代の「成功」に赤子の「成功」は当てはまるでしょうか?ご飯を作るだけでなくしっかり口まで運んでくれる。体もちゃんと洗ってくれる。勉強も両親がやってくれる。友達も両親が良いと思った相手を連れてきてくれる。両親が身の回りの世話をすべてしてくれることを学生の「成功」と思える人はどれだけいるでしょうか?おそらく、そう多くはないはずです。

 

 学生時代の「成功」が学校の成績で好成績をとることだとしたら、その「成功」が社会人の「成功」と言えるかといえばそれもまた違うでしょう。学校の成績はあくまで学校の基準。誰かの基準の中で好成績をとることが必ずしも社会人の「成功」とは結び付かないこともあるはずです。自分で考えて動くことを求められることがあれば、自分で基準をつくって判断することが「成功」になるはずです。

 

 時々で「成功」は変わる。それは自分の意思で決めることもあれば、社会の示したい方向への誘導灯のようなものだったりする。

 

 世の中の意図で決められた「成功」に向けて努力するか、自分の人生でこれができれば「成功」したと言っていいものに努力するか。自分の人生の「成功」に努力をする時間をかけたいものです。

 

 また、成功が時代で変わるなら過去のまだ達成していない「成功」にずっと執着しないで、現在の「成功」に目を向けられるようにしたいとも思いました。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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