本を訪ねる

読書は自分を知る旅

捨てると手放すの違い/放っておく力を訪ねる2

断つか活かすか

 これまでお気に入りで使っていたけど、今の自分には不要なものって対処に困ることありますよね。

 

 「もう使わないし」って、思い切って捨てるか、それとも……

本日の読書

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放っておく力

枡野 俊明【著】

良かったことは、良くしてくれるところへ送り出す

 いい思い出が詰まっているものや、誰かからの贈り物ほど、不要になった時に捨てづらいものですね。

 

 今回の読書では、「捨てる」のではなくで、「手放す」という考え方が印象的でした。

 

 捨てるというと、どんなイメージかって考えたときに、「無にすること」だと感じてしまいます。

 

 これまでの思い出や誰かの好意を、「無にすること」は誰だってやりたくないもの。「無にすること」は「否定すること」にもつながるような気がします。

 

 「捨てきれない」というのは、これまでを否定することに感じてしまうのが原因なのかなと感じます。

捨てずに手放す

 そこで著者は「捨てる」のではなく、「手放す」ことを本書で勧めています。

 

 手放すというのは、自分の手元から、他に必要としている人へと渡すこと。

 

 捨てることが、これまでの思い出や、誰かの気持ちを断つのに対して、手放すことは、これまでの思い出や誰かの気持ちを活かすことになるのだと考えることができるのではないでしょうか。

 

 手放し必要としている人の手に渡ったとき、相手もそれを使用することで、自分と同じように良い思い出を作り上げることができるかもしれません。誰かからの贈り物だったとすれば、幸せを次の人へと受け継ぐ、幸せのリレーになるのではないでしょうか。

 

 誰かに使ってもらえる可能性があるものは、捨てるよりも手放す。

 

 手放すことで、捨てる罪悪感を持たずに済むし、誰かの幸せに貢献することができる。

 

 「捨てるもの」と同様に、「ずっと閉まっているもの」も手放すことができれば手放した方が良いと著者は言います。

 

 「ずっと閉まっている」ということは、「モノの命」が生かされていないのと同じという考えから「手放す」ことを勧めているようです。確かにその通りだと感じました。

 

 過去に大切だったものは、捨てきれないものです。しかし、そのモノへの執着を手放すことで新しい幸せへとつながるような気がします。僕自身、人の抱えるものには限度があって、ずっと執着して抱え続けると新しいものを持つことは難しいのではないかと考えます。

 

 誰かの幸せを願い、自分に幸せをくれたものを手放し送り出す。それが、これまで大切だったモノ、これから大切になっていくモノとうまく付き合うコツなのかなと思います。

 

 いままでありがとう。

 

 さようなら、あなたに多くの幸せが訪れますように。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。