代わりの物では埋められない/人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話を訪ねる
満たしたはずが満たされない
自分の中の満たされない、孤独感や自己肯定感は、代わりの物で満たそうとしても満たされない。そう思える読書でした。
今回の読書は、著者が実際に体験したアルコール依存症になったきっかけの話、依存症で人生のどん底に落ちるまでの話、そこからはいあがってくるまでの話をコミックエッセイにした本です。
理想の自分をつくるためにお酒の力を借りる。
孤独感を紛らわすためにお酒の力を借りる。
ツライことを乗り越えるためにお酒をの力を借りる。
お酒(アルコール)の力で、足りないものを満たしたとしても、結局のところ、代わりは代わりでしかなく、本来の必要なものを得たわけではない。
お酒で得た力は、永久に持続するわけではないので、酔いがさめた時に喪失感に見舞われる。絶頂からどん底に落ちる恐怖から解放されるために、簡単にお酒に頼るようになる。
お酒で満たされるには、常にお酒を頼らざるをえない。ただ、人の体は、大量のアルコール摂取に耐えられるようにはできていない。
さらに皮肉なことに、本当に手に入れたいもの、良好な人間関係や、勇気や自信をアルコールによって遠ざけてしまう。
代用品が本当に必要なものを受け入れるスペースを占拠する。
結果、本当に必要とするものから遠ざかり、体も心も、周囲の人との関係も悪化していく。
依存症の怖さは、本当に必要なものが手に入らなくなり、失うものも多いというところなのだと思いました。
さらに依存症が厄介なところは、「気が付いたらそうなっていた」という部分だとも思いました。
簡単で楽に手に入る代用品だからこそ、何度も手を出しやすいという罠。そして、そんな罠から抜け出すには、自力だけでなく、周囲の力を頼ることが必要。
依存症は、頼ることがとても有効なのかなと読んでいて感じました。
代用は、あくまで代用。
本当を手に入れよう。
そのためには、周囲の力を頼ることが大切。
本当は、ひとりでは、手に入れられない。
本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。
今回の読書は、著者の実体験をもとに、『アルコール依存症』について書かれたコミックエッセイです。
人生が一度めちゃめちゃになったアルコール依存症OLの話
かどなし まる【著】
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