本を訪ねる

読書は自分を知る旅

議論と論破/人は、なぜ他人を許せないのか?を訪ねる2

考えを深めるのか、押し通すのか?

 今回の読書では、『議論と論破』についての話が印象的でした。

 

 1つのテーマで話し合いをしていて、意見をいうとき、どういう思いがあって意見を述べるだろうか。

 

 自分の考えを伝えたい。

 

 自分の考えを押し通したい。

 

 テーマをより深掘りしたい。

 

 自分の考えの正しさを証明したい。

 

 意見を言うことで、お互いの考えを伝え合い、テーマについての答えを共に探していく。

 

 意見を言うことで、相手の考えをねじ伏せ、自分の考えを押し通す。

 

 意見を交換しあう『議論』

 

 意見を押し通す『論破』

 

 『議論』が共同作業であるのに対し、『論破』は勝負。

 

 議論の場で、無意識に論破をしようとしているなんてこともあるように思います。

 

 「自分は違うと思うけどな、でも言っても変わらないから黙っていよう。」

 

 「どう言えば、皆に納得してもらえるだろう。」

 

 「間違ったことを言って、批判されたくない、あいつはダメだと思われたくない」という気持ちから、意見に絶対的な正しさがない限り意見を言えない。

 

 意見を言って勝つだけが論破ではなく、負けないように意見を言わないのも、ある意味では論破なのかもしれません。

 

 意見の交換に、勝負を持ち込んだとき、視野が広まり、考えが深まる答えが出るのだろうか?

 

 なぜ話すのか?

 

 求めるは、真実の探求か、正しさの証明か。

 

 本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。

 

 今回の読書も前回に引き続き、「正義」をテーマにした本です。

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人は、なぜ他人を許せないのか?

中野 信子(なかの のぶこ)【著】

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