目で聴く/LISTENを訪ねる13
聞く、見る、聴く
「目は口ほどに物を言う」という言葉があります。
口でしゃべって伝えるように、目の動きやまばたき、目つきなどから気持ちが伝わるという言葉です。
では、目に現れた気持ちはどこで受け取るでしょうか。
口から発せられた言葉は、耳で聞くことで受け止めることができます。
目から発せられた気持ちは、耳で聞こうとしても、言葉や音ではないので聞き取れません。
目に現れた感情は、目で見て受け止める。
「目は口ほどに物をいう」ように、「目は耳ほどに物をきく」ようです。
話を聞くというと、耳で言葉を拾っているだけというイメージが強いように思えますが、実のところ、目でもメッセージを拾い上げている。
「耳で言葉や音を聞く理由とは何か?」を突き詰めたとき、「言葉や、音を聞きたいから」というのは、違うと今回の読書では、気づきました。
耳で聞くことの理由は、「相手の感情や状況を把握するため」というのが、本来の聞くことの理由です。
これは、「目で表情を見る、文字を読む」ことも同じことで、「単に、表情を見たい、文字を読みたい」わけではなく、「表情や、文字、光景から現状を把握するため」です。
「聴くことは、聞くことだけではない。」ということが腑に落ちる読書でした。
なぜ、耳で聞くのか
なぜ、目で見るのか
言葉や音の奥にある
表情や文章、光景の奥にある
感情や情景を深く知るためです。
本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。
今回も引き続き、聴くをテーマにした本です。
LISTEN
ケイト・マーフィ【著】
篠田 真貴子(しのだ まきこ)【監訳】
松丸 さとみ(まつまる さとみ)【訳】
LISTEN--知性豊かで創造力がある人になれる [ ケイト・マーフィ ] 価格:2,420円 |