本を訪ねる

読書は自分を知る旅

意図的に成功する/小さな習慣を訪ねる6

成功が成功を生む

 「失敗は成功のもと」という言葉を聞いたことがあると思います。失敗からも成功へのヒントを得られるという意味で使用されるかと思います。

 

 本書には、「失敗は成功のもと」の対になるような言葉、「成功が成功を生む」という言葉が紹介されています。

 

 成功することで、情熱を生み、行動力が増す。落ち込んでいるときよりも、活動的でいられることから、次の成功へのきっかけが作りやすいということのようです。

 

 成功というと、できないことを達成することのように考えてしまうのではないでしょうか。そうすると、どうしても「失敗したと」感じる可能性が出てきます。

 

 失敗から得られることは確かにありますが、再挑戦への足取りが重くなってしまうことも考えられます。

 

 そこで行動の継続には、できることを成功の基準にするというのが良いようです。

 

 意図的に失敗しないことを成功の基準に設定する。

 

 『できること』を成功に設定することで、気持ちが落ち込むことを防ぎます。

 

 できることなので、「すこし物足りない」と感じることもあるはずです。この「すこし物足りない」というのがまた重要で、「物足りない」ことで「もう少し続けたい」や「またやりたい」と、発展、継続につながっていくようです。

 

 できないことを、成功の基準に設定して、成功したとしても、『満足感』や、『成功に意志の力を大きくつかうためしんどい』ことから「ここまでやりとげたしもういいかな…」と続けることをやめてしまったり、「今日は疲れているからできない。また明日やろう」と行動することを先延ばしにすることが考えられます。

 

 『できないこと』を、成功の基準にすることは、成功しても失敗しても、発展、継続の妨げになる可能性が隠れている。

 

 取り組んでいること、または取り組んでいたことに「うまくいかない」「しんどい、もうやめたい」という考えがよぎったとき、自分のなかの成功基準を意図的に『できる範囲』で設定することが発展、継続への近道になるかもしれません。

 

 成功とは、どんなことを言うのだろう?

 

 できないことをできるようになること?

 

 難しいことを苦労してできるようになること?

 

 いいや、自分で決めた基準のことではないだろうか?

 

 成功は、自分で決められる。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございいました。

 

 今回の読書も前回に引き続き、「習慣化」をテーマにした本になります。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】

成功したと思わせる期待感という落とし穴/小さな習慣を訪ねる5

すでに成功したと感じてしまうもの

 早い段階で満足感を得たり、成功への期待が高まったりすると、すでに成功したように感じると、今回の読書にはありました。

 

 慣れなくて、途中でやめてしまう、忘れてしまうというのは、想像が付きやすいですが、「成功する!」と感じるとそこで止まってしまうというのは、案外想像しないパターンではないでしょうか。

 

 今この記事を書いている時点で、ある童話を思いだしました。

 

 それは、『うさぎと亀』です。

 

 うさぎと亀の競争。

 

 途中まで先行していたうさぎがゴール目前で勝ちを確信し、昼寝をしてしまう。そして後からやってきた亀に負けるという話しです。

 

 うさぎは、ゴール目前で「勝ったも同然」と考え、勝ったと感じて走ることをやめてしまったのです。

 

 「うさぎと亀」は、今回の読書内容とまさに当てはまっているように思えます。

 

 習慣化の意外な落とし穴は、目標の設定、ゴールを決めることなのかもしれません。

 

 習慣とは、続けること。

 

 目標とは、到達すること。

 

 新しい習慣を取り入れたいと考えたとき、「まずは、○○までできるようになる」など、目標を立てるかもしれません。

 

 そうすると、目標達成目前であたかもできたと感じゴール目前でやめてしまう。

 

 そこで役に立つのが、小さな習慣のようです。

 

 小さな習慣は、習慣化したいもの事柄を最小化するもの。

 

 最小化することで、面倒くさくなくなり、難しく感じることがなくなります。

 

 最小化することで、過度な期待を持たなくなり、大きな達成感を味わうこともなくなります。

 

 面倒くさい、難しいと挫折することも防げれば、過度な期待からくる錯覚でやめることも防げるはずです。

 

 小さく取り組むことで、感情の上下からくる、意志の力の消耗を防げる。

 

 感情の下がりだけでなく、上がりにも注目する必要があることが今回の読書ではわかりました。

 

 さあ、ゴールは目の前だ。

 

 「ゴールしたら何をやろうか」

 

 「ここまで、大変な道のりだったな」

 

 今立っている場所は、どこだろう?

 

 帰るまでが、遠足なのだ。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 今回も前回に引き続き、「習慣化」がテーマの本を読みました。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】

消耗しないように小さく小さくする/小さな習慣を訪ねる4

小さくすることで、意志を保つ

 本書によると、習慣化には、5つの壁があるようです。

 

  1. 努力
  2. 困難の自覚
  3. 否定的な感情
  4. 主観的な疲れ
  5. 血糖値のレベル

 

 これらは、意志の力(やる気)を消耗させてしまいます。

 

 日常でも、意志の力を消耗するとすれば、新しい習慣を取り入れるための意思の力は果たしてどのくらい残るでしょうか?

 

 日常といっても、気分のあがる日もあれば、、下がる日もあります。意志の力を大きく必要とする場合、意志の力の消耗が激しいと、新しいことに取り組もうという意志の力は残されていないかもしれません。

 

 そこで、意志の力をほとんど必要としないくらいに小さく始めることがよいようです。

 

 新しい習慣に取り組むとします。

 

 大きな目標を掲げて、最初から沢山の努力が必要だとしたらどうでしょうか?

 

 きっと多くの意志の力を必要とします。そうすると意志の力が足りず、目標達成が難しく感じます。

 

 新しい習慣が辛く感じると、その習慣に否定的な感情が生まれます。

 

 辛く、難しく、不快な気持ちをもたらすと感じることに取り組むことになれば、必要以上に疲労感を覚えるはずです。

 

 そして、大きな疲労感は、おおきなストレスとなって、体調面、血糖値などに影響を及ぼすようです。

 

 大きく始めると大きく影響が出る半面、意志の力も大きく消耗する。消耗がはげしいと、習慣になる前に力尽きる可能性が高いと考えられます。

 

 そこで小さく小さく初めてみる。

 

 意志の力をほとんど必要としないくらいの努力から始める。簡単にできる範囲なので、困難に感じないで取り組める。

 

 困難に感じない程度なので、新しい取り組みで負担を感じることが少ない。負担に感じることが少ない分、必要以上の疲労感を覚えることもない。

 

 疲労感を覚えにくいので、大きなストレスを感じることも少なく、精神面だけでなく、体調面でも安定する。

 

 小さく始めることで、意志の力の消費を最小限に抑えることができる。消耗が少ない分、習慣として定着しやすい。

 

 そして定着すれば、そこからすこしづつ進歩する可能性を得られる。

 

 小さく始めることは、達成への可能性を高めることに効果的なようです。

 

 大きな目標があるとしても、大きく始める必要はない。

 

 むしろ、遠くへ行きたいなら、小さく歩むことが大切。

 

 そう、歩く意思があることが大切なのだ。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 今回も前回に引き続き、『習慣化』をテーマにした本を読みました。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】

習慣とは主食のようなもの/小さな習慣を訪ねる3

モチベーションは、メインディッシュやデザート

 今回の読書で印象的だったのは、『熱意減退の法則』と『限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則』です。

 

 『熱意減退の法則』は、著者のスティーヴンさんが『限界効用逓減の法則』を基に考えた法則です。

 

 『限界効用逓減の法則』とは、3枚目のピザを食べたときよりも、4枚目のピザを食べたときの楽しみは薄れて、5枚目だと4枚目よりもさらに楽しみが薄れる。

 

 回数を重ねることで、どんどん楽しみが薄れていく。

 

 『熱意減退の法則』も同様に、始めた頃よりも、回数を重ねることで熱意が薄れていくことを指すようです。

 

 『熱意』とは、この場合『モチベーション』のことです。

 

 新しく始めたときは、発見やわくわく感が簡単に得られますが、どんなことも、やり続けると慣れてきて、同じ結果になるように思えてきます。

 

 「今日も昨日と結果はあまり変わらない」

 

 発見やわくわく感が薄れていくにつれて、モチベーションは持ちにくくなると考えられます。

 

 そのことから習慣として取り組みたいことは、メインディッシュやデザートのようにとらえるのではなく、主食のようにとらえることが良いように感じました。

 

 ピザと比較しているのは、言い得て妙だなと感じました。

 

 例えば1か月間、3食とも主食(ごはんやパン)と、好きなおかず1種類(生姜焼きが好きなら、1ヶ月間、生姜焼きだけ)を食べるとしたらどうでしょうか?おそらく、最初は喜んで食べることができても、数日後には違うおかずを食べたくなってくるはずです。

 

 メインディッシュやデザートは、その日の気分や、前回なにを食べたかなどで変わってくることが多いと思います。

 

 同じようにモチベーションもその日の気分や、直前の出来事などに左右されることが多いはずです

 

 では1か月間、主食(ごはんやパン)を変えず(ごはんならごはん)、おかずはなんでもOKという状況ならどうでしょうか?たまにパンを食べたくなることはあっても、耐えられないと感じる方は少ないのではないでしょうか。

 

 また、普段食べている主食をしばらく食べないとどう感じるでしょうか。

 

 ごはんが主食の人が、朝にシリアル、昼にパン中心の食事、夜にラーメンとギョーザ。ごはんを1日食べなかった場合。翌日には、ごはんが食べたくてしょうがないという気持ちになるのではないでしょうか。

 

 主食とは、食事の際に意外と、意識していないときもあると思います。しかし、なくなると困るものではないでしょうか。しばらくないと求めてしまう。

 

 主食こそが、習慣に近いものだと感じました。

 

 習慣化するには、意識しないでも行えるような方法でやってみる。意識しないでも、できるようになると、逆にやらなければ気が済まなくなる。

 

 熱意を込めた日々も、やがて冷める。

 

 熱意は冷めても、そこに穏やかさが残れば、日々は続く。

 

 そして、熱意をもたらすものは、穏やかに過ごしたいという気持ちである。

 

 本を巡る旅におつきあいいただき、ありがとうございました。

 

 今回も前回に引き続き、『習慣化』をテーマにした本です。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】

突然の変化より、少しづつの変化の方が納得しやすい。/小さな習慣を訪ねる2

大きな変化よりも、小さな変化を起こす

 今回の読書には、脳はゆっくりとした変化を好むとありました。

 

 新しく習慣を取り入れる場合、100%を一気に取り入れるのではなく、簡単にできる範囲で少しずつ取り入れる方が、脳には受け入れやすいようです。

 

 これは日常生活でもあてはまるように思いました。

 

 出勤または、登校したある日、何の前触れもなく他部署に異動になっていた。学年が1学年進級していたとしたらどうでしょうか。おそらく、驚愕し、すぐに戻りたいと思うはずです。

 

 突然の変化は、大きな負担を感じる。

 

 突然ではなく、少しづつ変化していけばどうでしょうか。異動の知らせを受け、今の部署内での引き継ぎ、次の部署内での研修をしっかり完了させ異動する。1年間を通して、勉強や行事に取り組みながら周囲との関係を深めながら、進級に備えることで、進級する心構えを持つ。

 

 少しづつ変化することで、受け入れる準備ができる。脳も同じ。

 

 少しづつ、負担を感じないくらいで新しい習慣を取り入れる。そうすることで次第に、考える間もなく、新しい習慣に取り組むことができるようになる。

 

 習慣とは、「あまり意識しないでもできること」だとすると、これから習慣化したいことも、「あまり意識しないでできるようになる」練習が必要なのだと感じました。

 

 新しいことが、できるようになると嬉しい、特別感がある。

 

 ときには、刺激的でもある。

 

 新しいことを日常に取り入れるには、少しの嬉しさが持てるくらいが丁度良い。

 

 刺激的な日々では、気持ちが持たない。

 

 ずっと続けるには、穏やかな日常くらいがちょうどいい。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

今回も前回に引き続き、「習慣化」をテーマにした本です。

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小さな習慣

ティーヴン・ガイズ【著】

田口 末和(たぐち みわ)【訳】