本を訪ねる

読書は自分を知る旅

考えは書き出したらすこし寝かせてみる/「言葉にできる」は武器になる。を訪ねる2

 様々な角度、視点から考えを見てみる

 こんにちは、ライクです。

 今回は前回にひきつづき、言葉の本への旅になります。

 

 前回、心の中の言葉を掘り下げてみることで、心の風景はより鮮明になることがわかりました。

 

 心の中の言葉を掘り下げてみるとき、その言葉を様々な視点、角度から見てみることが大切だと今回の旅では知ることになりました。

本日の訪ねる本

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言葉にできるは武器になる。

梅田 悟司 (うめだ さとし)【著】

歩くヒントになるコトノハ

  皆さんは「見つめる鍋は煮えない」というヨーロッパの諺をご存じだろうか。

 

 これは、料理をしている時に、鍋の前でずっと見張っていても鍋の鍋の中身は煮えないのだが、他のことに集中して上で戻ってみると、あっという間に煮えている状態を指した言葉である。

自分視点、逆の視点、相手視点

 心の言葉は実体がない。そのままでは、やんわり感じることはできても、はっきりと実感することは難しい。

 

 そこで、自分の内側に湧き出た言葉を書き出すことで、外に文字として実体化し、実際に眺めてみる。

 

 実体化した心の言葉は、目に見えるために整理しやすくなる。

 

 本書には、内なる言葉を整理し、拡張、深める方法が紹介されています。

 

 大きく分けて3つの視点、角度で心の言葉を見つめるようにします。

 

 はじめに、自分の視点で考えてみる。

 

 次に、反対の角度(できたら⇔できなかったら等)から眺めてみる。

 

 さいごに伝えたい相手の視点で見る。

 

 この3つの視点、角度から見ることで、より考えは深みを増し、幅が広がる。

 

 この地点で1つ気になることが出てくる。

 

 自分の視点で見ることは、想像できる。その後の、反対の角度、相手の視点に立ってみるというのは、なかなかに難しく思えてくる。

 

 そこで自分視点に立って、心のこえに向き合ったら、一旦は考えるのを休んで、時間を空けてからもう一度、言葉と対面する。そうすることで、客観的に見ることができるようになっていると、著者は言う。

 

 なんでもいい。取り組んだことで、なかなかうまく進まなくて、ドツボにはまったことはないだろうか?

 

 そんな時、しばらく間をおいて再開してみると、不思議とすんなりできたなんてことはないだろうか。

 

 人は、その時々で、立場、役割りが変わるもの。職場では、仕事人であり、家庭では家族の一員だ。買い物に行けば、お客さんになる。

 

 自分の考えをまとめて、その場を離れれば、内なる心の言葉が湧き出たときとは、違う立場、役割になる。それはある意味で、自分とは違う視点と角度を持つことができるということだ。

 

 職人でいるときには見えなかった視点が、買い物をするお客さん目線になったときに見えてくる。

 

 子どもを育てる親という立場から見えていなかったことが、職場で上司からのアドバイスを受けている部下という立ち位置に立たされたとき、その視点から新たな発見を得る。

 

 考えが思い浮かんだときには、見えなかったものが、その場を離れたことで見えてくる。違う角度、伝えたい相手の視点に立ちやすくなる。

 

 内なる言葉をより幅広く、深めたいときは、自分なりに考えをまとめて、間を空けることが重要。

 

 自分は、他の誰でもない自分だ。

 その自分は、色んな自分からできている。

 いくつかの自分は、想いを伝えたいあの人とどこか似ている。

 

 最後まで本の旅に付き合っていただき、ありがとうございました。

 またどこかでお会いしましょう。

「言葉にできる」は武器になる。 [ 梅田 悟司 ]

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心の声こそ豊かにする/「言葉にできる」は武器になる。を訪ねる1

 

 心に湧き出る言葉を豊かにする

 こんにちは、ライクです。

 本日は、言葉についての本を訪ねます。

 

 相手に上手く伝えたい!伝わってほしい!と誰もが思うものです。

 

 そんなときは、内なる言葉に耳を傾けることが大切だと本日の訪ねる本には書かれています。

本日の訪ねる本

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「言葉にできる」は武器になる。

梅田 悟司(うめだ さとし)【著】

歩くヒントになるコトノハ

 「言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある」

飾らない言葉を素晴らしいものにしよう!

 突然ですが、次のAさんとBさんのプリンを食べた感想を聞いて、2人のうち、どちらが食べたプリンを食べたくなるでしょうか?

 

 Aさん「このプリン、超ヤバイ!」

 

 Bさん「このプリン、口に入れた瞬間ほろっととろけて、ほどよく甘く、しっかりとした卵のコクがあります」

 

 さて、どちらのプリンを食べたくなるでしょうか?

 

 おそらくほとんどの人はBさんを選ぶのではないでしょうか。

 

 Aさんの言う「超ヤバイ」は、ピンチなときや危険なときにも使う言葉ですが、「すごい」という意味でも使われたりします。

 

 Aさんの「超ヤバイ」では、いくつかの意味合いが考えられるので、そもそも「すごくおいしい」のか「危険なほどマズイ」のかわかりにくいように感じてしまいます。

 

 反対にBさんの感想は、「ほどよく甘く」や「ほろっととろけて」から味と食感が伝わってくるような気がします。

 

 もし2人が同じプリンを食べたのに感想が違う場合。なにが感想の表現を分けるのでしょうか?

 

 今回、訪ねた本には、外に向かって発する言葉は、外に発する前に、自分の内面で湧き出た声が大きく関わってくるとありました。

 

 Aさんが「超やばい」と発する前に、心のなかで「これはうまい!超やばい!」と声を発している。

 

 対して、Bさんの心の中に湧き出た感想は「口のなかでとろける柔らかさ。甘すぎず、ちょうどいいくらいの甘さ。卵の味がしっかり感じられる」といったところでしょうか。

 

 外に向かって言葉を発するとき、外に出す前にその言葉を飾り付けようとすると、どうしても気持ちのこもっていないものに感じてしまったりして、相手に伝えたかったことと少し違ったものとして捉えられてしまう。

 

 必要なことは、外に向かって発する言葉を上手く表現することよりも、内側に湧いて出てくる思考や感情といった言葉をしっかりと理解することだと本書にはあります。

 

 例えば、「超やばい!美味い!」と感じたなら、何が超やばいくらい美味いのかを掘り下げていく、食感がいいのか、はたまた味加減なのか。

 

 自分がどこに感動しているのかを探っていくことが、相手に伝わる言葉を発信するには大切。

 

 本書を読んでいて、内側に湧き出る言葉が豊かになれば、自分の感じるていることがより明確になって、同じものでも違うもののように見えてくるような気がしました。

 

 同じものを見ても、内側の言葉の豊かさで感じ方は違ってくる。

 

 「やばい」

 

 「うまい」

 

 「すごい」

 

 「超かわいい」

 

 「すき」

 

 その言葉のなかに隠れている本当の自分の感動を探そう。

 

 最後までよんでいただき、ありがとうございました。

「言葉にできる」は武器になる。 [ 梅田 悟司 ]

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感想(8件)

Sleep,Sleep,Sleep 読書記録 まとめ

Sleep,Sleep,Sleep 読書記録 まとめ

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Sleep,Sleep,Sleep

クリスティアン・ベネディクト【著】

ミンナ・トゥーンべリエル【著】

鈴木ファストアーベント理恵【訳】

 本書は、寝ているときに体の中でどんなことがおきているかや、睡眠をとることで得られるメリット、質のいい睡眠をとるためのヒントなどが紹介されています。本書を読み終えるころには、「寝ることはなんだかもったいない」から「寝ないことこそもったいない」と思えてしまう内容でした。

 

 本書を読んでいて、思い出した話があります。旅人がとある森で木こりに出会います。木こりは斧で、木をきっていました。しかし、その斧はボロボロの刃で、切れ味がとても悪くなっていました。何度も何度も振り下ろすことを必要としました。そこで、旅人は、木こりに斧の刃を研いだ方が、木をきりやすくなるのではないかと提案します。木こりはその提案を聞いてこう答えます。

 

 「それは、わかっているんだけど、斧を研ぐ暇がないんだよ」

 

 睡眠不足の体は、刃こぼれした斧のようのようなもの。本来の万全な状態なら、苦労をしないことも苦労を要する。睡眠をしっかり取っていれば乗り越えられる課題だった。睡眠は、体と心を研ぎ澄ます時間。寝る間を惜しんで取り組むよりも、しっかり睡眠をとって活動することが最善の取り組み方だと感じました。

 

もくじ

第1部『科学者がそろって「絶対寝るべき」と言う理由 自覚できないが「すごいこと」が起きている』

1章 眠らないとどうなる? 研究者が知っている「睡眠の正体」

 

2章 睡眠には「4ステージ」がある 浅い眠り・深い眠り、どちらも必要

 

3章 私たちを支配する「体内時計」 この「タイムライン」でぐっすり眠れる

 

4章 「デジタル革命」で人間は熟睡を失った 「人工の光」が睡眠を破壊する

 

raikuhon.hatenablog.com

第2部『睡眠の「すごい効果」を全部受け取る コンディションとパフォーマンスが最大化する唯一無二の時間』

5章 眠って「賢者」になる 正しい眠りは頭をよくする

 

6章 夢が「創造性」を開花させる アイデアは夜、ビッグになる

 

7章 眠って「感情」を整える 「ストレス」はレム睡眠で処理される

 

8章 「認知症」を予防する睡眠 寝不足は「脳細胞」にこんなに危ない

 

raikuhon.hatenablog.com

第3部 『いい睡眠は「最良の薬」 ゼロリスクで「完璧な体」に生まれ変わる』

9章 眠って「スリム」になる 「体型」は目を閉じている間に決まる

 

10章 「免疫」を強くする 「風邪予防」から「がん予防」の効果まで

 

11章 「糖が溜まらない体」に睡眠が不可欠 「糖尿病」を予防する効果がわかった

 

12章 強靭な心臓 眠って「最重要臓器」を強くする

 

raikuhon.hatenablog.com

 

あとがきより、眠れない時は…

 ベッドに入り、すべての明かりを消して、寝室を暗く涼しく保ち、それでもなお寝つけないときは、そのまま静かに横になって過ごそう。2分おきに時計を確認する代わりに、ベッドにゆったりと横たわっている時間は価値ある充電の時間なのだということを理解しよう。赤ん坊のように安眠することができないとしてもだ。

 もちろん、夜の睡眠は心身にとって最上の休息だ。しかし、たとえ眠れなくても、暗闇の中でただ横になって休んでいるだけで、体と心にとっては恵みの時間だ。

Sleep,Sleep,Sleepを読む3/睡眠は開店前のメンテナンス

 準備は起きる前に始まっている

 新しい1日に向けて起きる前から準備をしている。そう感じた読書でした。

本日の本

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Sleep,Sleep,Sleep

クリスティアン・ベネディクト【著】

ミンナ・トゥーンベリエル【著】

鈴木ファストアーベント理恵【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 じつに賢い私たちの体……。

睡眠と健康的な生活

 今回の読書範囲では、しっかり眠ることが、肥満防止や、免疫力の向上、糖尿病の予防、心臓の回復などに役立つことがわかりました。

 

 肥満防止の話に関しては、睡眠不足が負の連鎖を生むような内容で、ちゃんと寝るべきだなと強く感じました。

 

 本書に、よく眠れなかった夜のあとは、エネルギーの消費を節約するため、翌日は運動やエネルギーを消費する活動を避けようとするとあります。

 

 さらに、睡眠時間が短い人(一晩の睡眠時間が7時間未満)は、総じてより多くの糖分をとり、食物繊維の摂取量がすくないと、アメリカで行われた研究の結果で出ているとも書かれています。

 

 その内容を読んでみて、ダイエットのために始めた「運動が続かない」や「甘いものがやめられない」の原因には、睡眠不足も関わってくるのかなと思いました。

 

 健康的な体を手に入れようとした場合。適度な運動や食生活の改善を行うことに加えて、質のいい睡眠をとることにも取り組んだ方がよいと考えられます。

 

 睡眠をしっかりとることで、運動にも前向きに取り組めて、食事の改善からくる物足りなさも抑えられるかもしれません。

 

 今回、とくに印象に残ったのは、『ワクチンのを摂取したときに一番大切なのは、とにかくぐっすり眠ること』という内容でした。

 

 ドイツで行われた研究で、A型肝炎B型肝炎のワクチン接種を2グループに受けてもらいました。片方のグループはしっかり眠ってもらい、もう片方のグループには徹夜をしてもらったそうです。

 

 そして1か月後に、両方のグループの免疫反応を比較したところ、ワクチンを接種した夜に睡眠をとらなかった被験者は、肝炎に対する抗体と免疫細胞の形成が少なかったことが確認されたそうです。

 

 病原体との接触後の「最初の夜」が、きわめて重要な役割を果たすと本書には書かれています。

 

 予防接種をした日は、しっかりと睡眠をとることが大切。このことは忘れずに覚えておきたいです。

 

 世の中には、様々な体に良いとされていることがありますが、睡眠をとることは、健康的な生活を送るうえで、大きな割合を占めているのかなと本書を読んでみてとても感じました。

 

 健康的な生活を送る準備は、起きる前から始まっている。

 

 最後までよんでいただき、ありがとうございました。

Sleep,Sleep,Sleep [ クリスティアン・ベネディクト ]

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Sleep,Sleep,Sleepを読む2/思いつきもしなかったことを夢を見ながら創造する

 寝ている間に創造性豊かな発想を得るかもしれない

 何か新しい発想を得たいとき、睡眠が役に立つかもしれない。睡眠中の夢には、まさにユメのようなアイデアを思いつくきっかけになることがある。そんな内容の読書でした。

本日の本

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Sleep,Sleep,Sleep

クリスティアン・ベネディクト【著】

ミンナ・トゥーンべリエル【著】

鈴木ファストアーベント理恵【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 レム睡眠中に、獲物に気づかれずに近づくための巧妙なアイデアを思いつき、それによって自身と家族の生き残りを確かなものにすることができた。洞穴や寝床をより安全に、より快適にするための決定的なひらめきもそうだ。「フェイスブック」の着想、「蒸気機関」の発明、「元素周期」の発見にもレム睡眠が一役買ったのではといわれている。

悩み、考え続けるより自由な夢をみる

 深い睡眠のときは新たな記憶を定着させて、レム睡眠中には新鮮な記憶と過去の記憶を組み合わせると本書にはあります。

 

 レム睡眠とは、眠っている間に眼球が急速に動く(Rapid Eye Movement:REM、急速眼球運動)状態の睡眠で、夜の後半にレム睡眠の割合は大きくなるそうです。

 

 レム睡眠中に見る夢は、記憶の指揮をとる海馬が休息中のため、統制のとれたときには同時に活性化されない記憶が呼び起こされ、混ざってしまう。

 

 偶然に混ぜ合わされて、生み出された思考が夢として創造される。夢がとっぴょうしもないものになるのは、ごちゃ混ぜになった思考のせいかもしれないと本書にはあります。

 

 また本書では、レム睡眠はある意味スムージーを作るミキサーだと例えられています。手元にある材料(記憶、思考)をすべてミキサーにかけてできたものが、とても美味なものになるときもあれば、口にすることができないくらいマズイものにもなることもある。真に何物にもとらわれない発想を作る可能性があるようです。

 

 考えても、考えても、いい案が思い浮かばない。

 考えても、考えても、悩みを解消する答えがでない。

 

 そんな時は、しっかり睡眠をとって脳のミキサーに任せてみるのもいいかもしれません。どのみち睡眠をしっかり取ったほうが、起きているときの脳内もスッキリとして、いい考えにつながるはずです。

 

 睡眠をしっかりとって、起きているときは、澄み切った頭で考える。寝ているときは、レム睡眠の自由な連想から、新しい発想が創造されることを楽しみに待つ。そうすることで、起床時から睡眠時まで、日々を楽しく活動できるような気がします。

 

 寝ることにはメリットがたくさんある。寝ることが楽しくなる読書でした。

 

 最後までよんでいただき、ありがとうございました。

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