本を訪ねる

読書は自分を知る旅

自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくるを読む④/その感情の名は……

 感情に名をつけるのは誰か?

 「今どんな気分か?」という問いについて、「こんな気分」というふうに答えることはできると思います。しかし、その気分、感情の名は本当にその名で良いのでしょうか。今回の読書は、感情の名前について考える内容でした。

本日の本

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自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる

ラス・ハリス【著】

岩下 慶一(いわした けいいち)【訳】

歩くヒントになるコトノハ

 自分が〝恐れ〟や〝心配〟ではなく〝燃える〟〝高揚する〟〝興奮する〟などの言葉を使っているのに気づくだろう。恐れを利用するものが何もない時には、ただ場所を作ってやり、現在していることに完全集中しよう。

敵意よりも友好に接する

 感情は同じように感じるものでも、時と場合によって名前が変わる。恐怖という感情も時として〝好奇心〟という名であったりする。

 

 例えばお化け屋敷などの催し物で肝試しを行うとしてます。多くの人は〝怖い〟と感じるはずです。その〝怖い〟に名前を付けるとしたら、なんという名前にしますか?

 

 すぐ思いつくのは「恐怖」でしょうか。ただもう少し考えてみると、『未知のものに出会うことに対する怖さ』ということを踏まえると、それは「好奇心」とも言えるのではないでしょうか。未知の体験や知らないもの、見えない物には「怖さ」を感じるもの。その感情には「恐怖」とも名付けられるし、未知との遭遇へのドキドキ、ワクワクのともなう「好奇心」とも名付けられるのではないかと考えられます。

 

 「緊張」も未知のものに対して意識を向けていると起こることが多い感情です。「緊張」していることに気が付くと体がガチガチに強張ったり、頭が真っ白になる。しかし、意識を向けていることで起きる体の異変に、「緊張」と名付けるのではなく、未知のものに向き合っている「勇気ある行動」と名付けたなら、体の異変も前向きにとらえられるのではないでしょうか。ただの「緊張」には停滞感があるように感じますが、「向き合う勇気」だとしたら、体の異変の先に得るものがあるように思います。

 

 感情は目に見えないもの。その感情を僕たちは、どうやって「怖さ」や「緊張」、「不安」などと判断し、その名前で呼んでいるのでしょうか。

 

 今回の読書では、「怖さ」が心に訪れた時、無理に追い払うようにするのではなく、その感情を受け入れ、居場所を与えようとありました。

 

 「怖さ」を否定も肯定もしない。そこにあるものとして居場所を作ってあげる。

 

 「恐れ」というものに居場所をつくるなんてとんでもないと思ってしまいますが、著者のラスさんは、「恐れ」の目的は僕たちをやっつけることではなく、困難な状況を効率的に乗り越えることにあると語っています。危険や恐れを警告し、必要とあらば次の行動の準備をさせてくれる。恐れは敵ではなく、味方だという視点で見てみる。

 

 恐れを味方として、恐れのチカラを借りる。恐れは時として思いもよらない行動力、チカラを与えてくれる。恐れと協力して困難な状況を乗り越える。

 

 恐れを敵意をもって見るのではなく、味方として見たなら、「恐怖」は「好奇心」や「チャレンジ精神」に、「緊張」は「向き合う勇気」に、「不安」は「思慮深さ」に名が変わることでしょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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