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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだらを読む⑥/下手や苦手意識のあったものは役に立つ

 下手だったからこそわかること

 苦手でも下手でも取り組んできたことが、人の手助けに役立つ。今回の読書ではそのことに気づかされました。

本日の本

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら

岩崎 夏海(いわさき なつみ)【著】

歩くヒントになるコトノハ

 夢自身が「人の長所を見つけることが得意」ということだった。それが夢の長所でもあったのだ。

 夢はもともと「羨ましがり」だった。顔のかわいい子がいたら羨ましがったし、頭がいい子に対しても羨ましがった。足が速かったり花を育てるのが得意だったりする子に対してもそうで、とにかくよく羨ましがる性格だった。

 ただ、自分ではその性格が嫌いだった。それは、他人の長所を羨ましいと思うと、それを持っていない自分に劣等感を抱いてしまうからだ。

下手だと思うことは得意なことにもなる

 苦手なことはあるだろうか?本書の主人公の夢は「羨ましがり」という性格を嫌っていたがその性格は、裏を返せば、人の長所が見抜ける能力だった。

 

 場面や環境で劣等感をもっているものが、実は役立つ。自分の短所を振り返ってみて、その短所が名前を変えて長所になっていたなんてことはないだろうか。

 

 無鉄砲という短所が、失敗を恐れない実践力という長所になっている。自分の嫌だと思う性格、性質を振り返ってみることは、長所を見い出し、「居場所」つくりに役立つかもしれない。

 

 自分が過去に困っていたことに関して、誰かが困っている状況を見たらどうだろう?反射的に助けたいと思わないだろうか。共感できることに関して人は、何かをしたいと考えるものだと思う。

 

 過去に乗り越えた、苦手だったものは、誰かの役に立つ。道を示せる。「居場所」を見い出してあげられる。誰かに役に立つということは、ドラッカーの「顧客から始める」ことに当てはまることになるのではないだろうか。顧客がいるということは自分の「居場所」でもあるということだと思う。

 

 下手だったことは、自分の「居場所」にもなるし、誰かの「居場所」を見い出す助けにもなる。

 

 誰かの役に立つことは、得意なことよりも苦手だったことの方が、きっといい。得意ということは、これまで見て感じたことが、苦手だったことよりも少ない可能性があるからだ。苦手だったことは、様々な試行錯誤を繰り返してきたはずだ。だからこそ多くの試行錯誤を繰り返してきた経験が、困っている人の立場を把握、共感することにつながる。どのような対処をしたほうがいいかの見当がつく。

 

 いま、苦手意識のあるもの。下手だと感じること。劣等感のあるもの。その性格、性質の違う側面に目を向ける。長所となる面に気が付けば、その素晴らしさを他の同じ悩みを持っている人にも知らせたくなる。

 

 以前に悩んだことや下手だったことはなんだろうか。それはきっと誰かの役に立つ。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『イノベーションと企業家精神』を読んだら [ 岩崎夏海 ]

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