なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか 読書記録 まとめ
なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか 読書記録 まとめ
なぜあなたは自分の「偏見」に気づけないのか
ハワード・J・ロス【著】
御舩 由美子(みふね ゆみこ)【訳】
本書は、「偏見」をテーマにした本です。
「偏見」というと、どんなイメージがあるでしょうか?
私は、「偏見」というと勝手な思い込み、先入観のようなもので、あまり良くないイメージがありました。
しかし、本書を読んで「偏見」は、生きていくために必要なものだとわかりました。
「偏見」は、素早い判断が必要なときにとても役に立つようです。
ただし、素早い判断に有効な反面、誤った判断を下してしまうこともあります。新しく起こった出来事に過去の経験をあてはめることで、思わしくない結果を招いたり、常にそこに存在する問題点に気づくきっかけを見逃すことになってしまいます。
「偏見」は使い分けることで、有効に働くのかなと本書を読んでいて感じました。
もう1つ感じたことは、「偏見」とは「社会」であるということでした。
「社会」には、一般論や、ルールというものが存在します。「これは、こういうもの」や「あれをすると、こうなる」といったものは、「偏見」といっても過言ではなと思います。
人は、世界に生まれ、社会に生きている。
「社会」とは、国であり、性別であり、世代であり、人種であり、職種であり、会社であり、貧富であり、宗教である。他にも様々な「社会」に属していて、それも一度に複数の「社会」に生きています。
「偏見」を無くして生きることは、不可能に近いようです。
「偏見」は、安心して生きるためには必要です。しかし、時として他の「社会」と対立することがあります。対立することで他者を傷つけたり、余計な不安を持ってしまうことにもなりかねません。
誤った「偏見」に気づくためには、自分の持っている「偏見」の特徴を知ることが大切です。本書は、様々な「偏見」に気づかせてくれる本となっています。
もくじ
第1章 人間であるかぎり偏っている
第2章 考えていることについて考えてみる
第3章 バイアスの10のパターン
第4章 命と死と逮捕と無意識のバイアスについて
第5章 力を握っているのは誰か?
第6章 見えないバイアスに囲まれて
第7章 ギアをニュートラルに入れる
第8章 意識と気づきの育成