本を訪ねる

読書は自分を知る旅

才能よりも大切なこと/GIVE&TAKEを訪ねる4

信じる、信じられることが成長につながる

 こんにちは、ライクです。

 今回も「与える」ことをテーマにした本を訪ねます。

 

 目標や大切な価値あるものを追い求める途方もない旅には何が必要でしょうか?旅を難なくこなす才能?それとも……。

本日の訪ねる本

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GIVE&TAKE

「与える人」こそ成功する時代

アダム・グラント【著】

楠木 建(くすのき けん)【監訳】

歩くヒントになるコトノハ

 教師が生徒の可能性を信じたために、「自己成就予言」(他人から期待されると、それに沿った行動をとって期待通りの結果を実現すること)が働いたのである。教師が生徒を「伸びしろがある」と信じたことで、その成長に大いに期待をかけたからなのだ。

信じるチカラは、先を見せる

 今回の読書では、面白い調査内容が紹介されていた。それは、生徒の本来の能力の高低に関わらず、教師が潜在能力の高さを信じた生徒は、他の生徒に比べ、能力が向上したというものだった。

 

 教師が「この生徒は知能検査によると、優れた能力を秘めている」と信じ込むことで、潜在能力が高いとされる生徒に協力的になり、自信を高めるような接し方を行ったからだと本書にはある。

 

 この調査からは、「才能」のあるなしに関わらず、「自信を与えられる」ことが能力の飛躍には重要といえる。

 

 「才能」があるかどうかを見極め、「才能」があるとわかれば協力するというスタンスではなく、「信じて協力する」ことから始めることが、結果的に「才能」といえるものをもたらす。

 

 本書にある別の調査内容の紹介では、専門的技術の習得には、練習の積み重ねが1万時間必要だとある。

 

 1万時間の練習には、何が必要だろうか?

 

 「才能」を持っていたとしても、1人でコツコツと1万という途方もなく感じる時間をこなすことは、容易ではないかもしれない。

 

 「信じ、協力」してくれる人がいた場合は、どうだろうか?

 

 1万時間のなかには、挫折感を味わうこともあるかもしれない。そんなときに前を向かせてくれるのは、まだ見えぬ「才能」よりも、「信じ、協力」してくれる人の存在だと思う。

 

 誰かの努力を成功へと導くには、「才能」の値踏みではなく、「やる気」を引き起こさせる「信頼」なのだ。

 

 ただし、努力が成功へとたどり着くことがない場合もある。

 

 そんなときは、協力をしてきた立場から今までの時間を「損失」にしたくないために、「諦めないで」や「やればできる」と限界を超えてまで期待をかけてしまう危険もある。

 

 それではかえって逆効果だ。自信をなくすきっかけになりかねない。

 

 誰かの人生の旅に寄り添うとき、今までと違う道を当人が見出したなら、「別の道もありかもね。これまで努力してきた君にはできると信じているよ」と応援することが、最良の道を示すことになるだろう。

 

 寄り添うときにできる最大の貢献は、「才能」の批評ではなく、「出来ると信頼する姿勢を与える」ことなのだと今回の読書では強く感じた。

 

 背中を押し、手を取り合い、時には違う道に足を踏み出す。

 

 どんな時も信頼を贈ろう。

 

 本を巡る旅にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 またどこかでお会いしましょう。

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 [ アダム・グラント ]

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